モデルボクサー 計量で仰天パフォーマンス
ジャージに着替えた高野は、パフォーマンスの理由をこう説明した。 「ウエディング姿って女性の憧れですよね。ボクシングも女性にとって憧れるスポーツにしたいというメッセージを込めました。今回はダブル世界タイトルがあって、普通に計量をしていても女子の試合は注目されませんから。シリコンは、本当の豊胸整形手術用のものです。200CCをそれぞれ入れました。減量すると胸から(肉が)落ちていくのが寂しくて、それが悩みなんで豊胸整形したときの準備のつもりで入れてみましたが、400グラムはきついですね(笑)。シリコンを外せば計量をパスする予定だったんですが、最後の髪飾りは想定外でした」
胸にパットを入れた計量失敗作戦の狙いはよくわからなかったが、ちなみにウェディングドレスは友人に頼ってからレンタルしたもの。この日は、朝6時に起床。座禅を組んでからホテルで念入りにスタイリングに時間をかけたという。 さてプロとして話題作りの“前哨戦”では圧勝した高野だが、肝心の試合の方は大丈夫なのだろうか。協栄に移籍した高野は、前WBC世界Sフライ級王者の佐藤洋太らを教えた新井トレーナーの指導の元、初めて12ラウンドのロングスパーをこなすなど過酷なトレーニングを積んできた。相手の大石はサウスポー。同ジムには前川4兄弟が所属しているが、まだプロになっていない16歳の3男に“仮想大石”を務めさせ、対サウスポー、対ファイターの対策を徹底した。そのリーチを生かしたストレートで鼻血を出させたこともある。 「やってきたことを無駄にしたくない。距離をとったボクシングをしたい。え?大石さんは私のボクシングを胸と一緒で偽者と言っていたんですか? では、ボクシングは本物だってところを見せたいですね」 高野が、そう語れば、20センチ近い身長差のハンディを背負う大石は、「相手は背が高く上からくるので不用意なパンチには気をつけたい。そこをくぐって中で勝負する」とまたまた赤い炎をメラメラ。大晦日は、美しき女の戦いも注目である。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)