J2からの侍!「個人昇格」守備編(2)大分に加入攻撃力抜群のSBと大卒2年目配給力抜群のマルチ選手
■北九州のサイド職人が大分へステップアップ
3人目には福森健太(ギラヴァンツ北九州→大分トリニータ)をあげたい。 攻守一体化のハードワークを身上とした昨季の北九州で、この26歳は左サイドバックをメインにプレーした。セールスポイントは攻撃力だ。守から攻への切り替わりでためらいなく攻め上がり、逆サイドからのクロスに反応してゴール前へ飛び込んでいくこともある。中距離からのシュートにも意欲的だ。 【画像】新井直人、大久保嘉人ほかC大阪の2021年シーズン新加入選手 右足のクロスは正確で、CKやFKのキッカーも務める。19節のアルビレックス新潟戦で決めたJリーグ初ゴールも、およそ30メートルの直接FKを沈めたものだった。 ユース年代までFC東京の下部組織で育った福森は、右サイドバックが本職である。大分が昨季までベースとしてきた3―4-2-1のシステムなら、持ち前の活動量と推進力を生かしてウイングバックでも躍動するはずだ。左右どちらでも高水準のプレーを保証する彼の存在は、チームの戦術に柔軟性をもたらす。
■新潟のマルチタレントがC大阪の一員に
GK、DF、ボランチの個人昇格では、GKポープ・ウィリアム(川崎フロンターレから昨季はファジアーノ岡山へ期限付き移籍→大分トリニータ)、CB岡村大八(ザスパクサツ群馬→北海道コンサドーレ札幌)、CB鳥海晃司(ジェフユナイテッド千葉→セレッソ大阪)、CB田代雅也(栃木SC→サガン鳥栖)、SB前嶋洋太(水戸ホーリーホックから横浜FCへレンタルバック)、ボランチ上原力也(ジュビロ磐田→ベガルタ仙台)らも注目に値する。 しかし、4人目の選手には新井直人(新潟→C大阪)を指名したい。 2019年に大卒ルーキーとして加入すると、173センチのサイズながらセンターバックとしてプレーした。さらには両サイドバックでも起用され、試合によってはボランチでもプレーした。 守備の複数ポジションをこなせるのは、ボールを配球する力に優れるからだろう。ポゼッションスタイルを推し進めた昨季の新潟では、サイドからのクロスやカットインからのラストパスなども見せていた。 今季のセレッソはレビー・クルピ監督が就任し、メンバーも大きく入れ替わった。これから序列の固まっていくポジションもあるなかで、新井はサイドバックを争うことになるだろうか。 現状ではっきりしているのは、この24歳がクルピ監督にとって頼もしい存在であるということだ。昨年11月に左足中足骨を骨折し、全治まで約3か月と診断されたケガからの完治が、まずはスタートとなる。
戸塚啓