人脈作りには「優秀さ」より「好感度の高さ」が重要な理由
「有力な人脈がほしい」と考える人は少なくありません。そして人脈を構築する手段についていえば、 「相手を引きつけられる、輝く実績を持ちなさい」 といった主張が見られます。しかし、筆者は優れた人脈を作りたければ、優秀さより相手から好感を持ってもらう振る舞いこそが重要だと考えます。 今回は「人脈は実績で作る」という従来のあり方から、「人脈は共感で作る」への変化を考察したいと思います。
「人脈」は足し算ではなく、引き算である
「人脈とは、お互いにビジネスメリットを享受できる利害関係を作る行為」と定義するなら、本来のあるべき人脈というのは「努力して作るもの」というより、「信用を勝ち取った結果、残るもの」というのが本質ではないでしょうか。 人脈を作ると考えると、積極的に人脈を開拓するイメージがつきまといます。せっせと、人の集まる場所にでかけて、お酒の力を借りて胸襟を開いて話をして名刺交換…。筆者はかつて人脈の作り方がわからず、異業種交流会にせっせと足を運んで、たくさんの名刺をばらまいてきました。 しかし、結果としては頼んでもいないのに、相手のメルマガに勝手に登録された挙げ句、営業メールがたくさん来るようになったり、「今度、当社のセミナーに参加してくれませんか?」という勧誘ばかりです。結局、今、連絡を取り合える人脈は1つもできませんでした。 しかし、人脈を残るものと定義すれば、このような徒労に終わる活動をするべきでないことは明らかです。ビジネスをした相手を丁重に対応し、相手に安心感を与えるようにホウレンソウを心がけ、相手の期待値を超える成果物を提供し続ければ、人脈を意識することをしなくても、ビジネスの関係は継続するものです。 筆者もお互いにメリットのあるビジネスを気持ちよくやり取りできるように心がけた相手とは、何年経過しても仕事をする人脈として残っています。 人脈は作るものではなく、残るものなのです。
何を買うか?より誰から買うか?
時代は変わり、モノやサービスは溢れかえっています。 「世の中でこの人にしかできない仕事」となれば、相手の好感度など気にせずとにかくお願いせざるを得ないでしょう。しかし、同じ価値を提供してくれる相手を見つけるには困らない時代になりましたから、「何を提供してもらえるか?」で差別化をするのは困難になりました。 そうではなく、「誰に提供してもらうか?」へと変化してきたと思うのです。そう、同じ成果物を得られるなら、「好感が持てる相手」に頼みたいと思うものなのです。これは上述した人脈に通ずる部分があります。 そのことを裏打ちしてくれる記事があります。東洋経済オンラインの『「頭の良さより「好感度」で人生が決まる納得理由」』によると、日本人ビジネスマンは「自分はいかにデキる人かPR」する傾向があるといいます。これは自分の力を誇示することで、相手を魅了できると考えていることの表れではないでしょうか。 しかし上述の通り、人が誰かについていきたいと思う時は、相手に惚れ惚れとするような実績の有無だけではないというのです。それよりも「相手に魅力を感じるか?」こそが重要なファクターです。