自民、「公開方法工夫支出」を削除 「歩み寄り必要」 規正法再改正
自民党は派閥裏金事件を受けた政治資金規正法再改正など関連法案の修正を各党に打診した。政治資金収支報告書で支出先など一部を非公表にできる「公開方法工夫支出」を自民案から削除。立憲民主党など野党7党が提出している規正法再改正案をベースとし、付則に検討項目として盛り込む。 【一覧】衆院政倫審に出席する意向を示した議員と不記載額 自民は16日の衆院政治改革特別委での採決を目指しており、衆院で多数となった野党への歩み寄りが必要と判断した。ただ、非公開支出の廃止を主張する立憲との調整は難航している模様だ。関係者によると、自民は立憲側に「公開方法工夫支出」を将来的に設ける前提の文案を示したといい、立憲幹部は「受け入れられない」と提案を拒否したという。石破茂首相(自民党総裁)は年内に決着させたい意向を示しているが、合意できるかは不透明だ。 自民案は、使途公開不要な政策活動費を廃止する一方、外交上の秘密やプライバシーへの配慮が必要な一部の支出を「公開方法工夫支出」として規定。新設する第三者機関の監査を経て、支出先など一部を非公表にできる案を示したが、野党から「新たなブラックボックスを生む」などと批判を受けていた。 また、自民案では政策活動費の禁止対象とするのは政党(支部を含む)と国会議員関係政治団体から議員らへの支出に限定していたが、禁止対象を広げる方向で検討している。 政治資金収支報告書のデータベース化や、外国人による政治資金パーティー券購入禁止の規定については、多くの野党と方向性が一致しているとして規定は維持する。政治資金を監査する第三者機関は、国民民主、公明両党案を基に対応する方針。 一方、争点となっている企業・団体献金の禁止の是非は、自民と立憲などで平行線が続いており結論は先送りされる見通し。【高橋祐貴、野間口陽、富美月】