「世界通じる選手を」 陸上・ヤマダ女子中長距離の新監督に高木雅一氏 常磐高校で30年以上指導
陸上の実業団ヤマダホールディングス女子中長距離部門の新監督に、群馬県の常磐高校で30年以上指導した高木雅一氏(57)が就任することが15日までに分かった。上毛新聞の取材に「クイーンズ駅伝(全日本実業団女子駅伝)優勝と、個人で五輪や世界陸上に通じる選手を育てたい」と目標を語った。就任は16日付。教え子の岡本春美(三井住友海上、常磐高出身)も同日、ヤマダに移籍する。
◎教え子の岡本春美も移籍 「日本最高峰 優勝したい」
高木監督は桐生市出身。1987年に常磐高監督に就任した。全国高校駅伝出場20回の常連校に育て、2015年は過去最高の準優勝に導いた。16年から実業団の三井住友海上女子陸上部の特別コーチに就任し、常磐高特別非常勤講師として学校で指導を続けながら岡本と五輪を目指した。
ヤマダでの指導理念を「陸上を通じた人間形成」と語る。レースについては当面の大きな目標を5月以降の日本選手権とし、「入賞、優勝を目指す」と力を込めた。
前任の森川賢一氏は家庭の事情で退職し、県外の実業団で指揮を執る。ヤマダの主力として活躍してきた西原加純、竹地志帆も同じチームに移籍し、竹地は現役を引退してマネジャーに転向する。
《高木新監督への一問一答》―就任の経緯は。
もともと2020年度までに、常磐高の特別非常勤講師と三井住友海上の特別コーチを終える予定だった。所属がなくなる中、ヤマダホールディングスからお話をいただいた。
―ヤマダでの目標は。
(山田昇)会長が一番に言っていたのは競技を通じた「人間形成」。チームとしてはクイーンズ駅伝優勝と個人では五輪や世界陸上に通じる選手を育てる。
―常磐高では全国高校駅伝の優勝に一歩届かなかった。
やり残したことをやり直せるチャンスをもらった。カテゴリーは異なるが、日本最高峰のクイーンズ駅伝でこれまでに果たせなかった優勝をしたい。
―強化方針は。
選手をまだ十分見ていないのでこれからになる。前監督のトレーニングを急に変えるつもりはなく、いい部分を継承して進めたい。
―高校では生活面から管理していた。
これからは大人の選手が相手。管理と言っても自己管理がウエートを占めるだろう。自己管理、自立を強調したい。