大手企業を退社し時給850円のアルバイトを始めた女性 そこで挫折を経験するも…「現場主義を貫く」理由とは
給料ストップ、ブランド解散。元上司の声掛けで研修業を生業に
しかし、ブームが過ぎ去り、ブランド解散のときが迫っていた。 「給料って上からだんだん支払われなくなるんですよね。会社が資金調達に走っていたことは知っていたのですが、ついに私の給料もストップしました」 そしてやむを得ず、仕事を辞める決意をしたのだ。 普通は絶望するが、常に真剣勝負の海藤さんのまわりには、たくさんの応援者がおり、次のステージが待っていた。そして、退職後は元上司が立ち上げた販売代行業のサポートに入ることになった。 その後、海藤さんは自分が担当していた研修部門を業務委託契約にしたいと社長に申し入れ、それが認められたことで独立となる。
紹介のみでビジネスを拡大。コロナ後は“小売の海藤”を掲げブランディング
独立後は、多様な小売業からコンサルの依頼を受けるようになった。 しかも、依頼はすべて紹介という。 「高速道路のサービスエリアのお仕事をしていると、テナントさんから声がかかったり、元上司や同僚から連絡がきたりして、仕事が途絶えることはありませんでした。けれどコロナのときは仕事がすべてストップ。紹介一本でやってきたのでどうすればいいか頭が真っ白になりましたね」 コロナ以降は、受け身のスタンスから能動的に動くことを学び実践した。 “小売専門のコンサルタントといえば海藤”と思ってもらえるように、いろんな場に出ていった。自分の専門領域を決め、尖らせることで、認知されるようになっていった。 「小売は利益幅が大きくないので、小売をフォーカスすることに躊躇うこともありましたが、私のキャリアから考えて、小売を切り離すことはできないから」と、海藤さんは話す。 取材の最後、海藤さんにこれからの夢を聞いた。 「1つは対法人に対しての価値提供です。結局、働く人の笑顔を作り出すには組織の力が欠かせないと感じています。だからこそ、店舗の組織づくりをもっと強化していきたいですね。もう一つは女性キャリアの支援です。販売職に従事していて、ブランドは若年層向けなのに自身の年齢は上がっていってこの後どうしていこうと悩んでいたり、ライフスタイルの変化によりこのまま店舗勤務ができるか考えてしまったり、キャリアに悩んでいる女性はとても多いです。そんな女性たちを支援できるプログラムをやりたいと思っています。個人の能力アップがひいてはお店のパワーになっていく、そんな循環を作れたらいいですね」と語った。
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