誤振込の4630万円返還求め、24歳男性を提訴 山口県阿武町
山口県阿武町が新型コロナウイルス関係の臨時特別給付金(住民税非課税世帯463世帯分)の振り込みに絡んで、計4630万円を誤って住民の男性に送金した問題で、町は12日、この男性に返還を求めて山口地裁萩支部に提訴した。誤送金分の全額に弁護士費用などを含めた約5116万円の支払いを求めている。 【写真】「消えた4630万円」について、記者会見で頭を下げる花田憲彦町長(左)と中野貴夫副町長=4月22日、山口県阿武町 町によると、男性は24歳。2020年10月、町の「空き家バンク」制度を利用して県内の別の地域から移住し、県内の店で働きながら一人暮らしをしていたという。現在は勤務先も退職して所在不明で、連絡がつかない状態だという。 町が調査した結果、男性の口座からは、誤送金があった4月8日の当日に六十数万円が引き落とされたのを始め、カード決済の引き落としなどで頻繁に金が動かされ、2週間ほどでほぼ全額が口座からなくなっていたことが判明した。これを受けて、町は提訴の方針を決めたとしている。 4月21日、町職員が4630万円の返還を求めて男性に面会した際には「すでに入金されたお金は動かしている。もう元には戻せない。罪は償います」と説明していたという。
朝日新聞社