「マクロス」シリーズ名作3選 より深く“歌・バルキリー・三角関係”の世界に浸る
「マクロス」シリーズのおすすめ3作
1982年に放送が開始された『超時空要塞マクロス』(以下、マクロス)の派生作品は数多く、それぞれに魅力的なキャラクターや楽曲、メカデザインやストーリーが存在しています。いまや40年近い歴史を持つ「マクロス」シリーズの世界観を短時間でつかめるタイトルとして、先の記事でライターの早川清一朗さんが挙げたのは『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』『マクロスプラス』『劇場版 マクロスF』。さらに3作、おすすめのタイトルをご紹介します。 【動画】『マクロス7』奇跡の新曲を聴いてみる * * *
●『マクロス7』(1994~1995年、1996~1997年、2012年) 初代『マクロス』から12年ぶりとなる『マクロス』のTVシリーズ作品。前作から35年後の移民船団「マクロス7」を舞台としており、マクシミリアン・ジーナスやミリアなど、一部のキャラクターが引き続き登場しています。 放送当初は主人公・熱気バサラが「俺の歌を聴け!」と戦場に飛び込み突然歌い始める展開に戸惑うファンが見受けられましたが、オープニングテーマの「SEVENTH MOON」や劇中歌の「PLANET DANCE」、「突撃ラブハート」など多数の名曲の力もあり徐々に人気が沸騰。この時代はちょうどバンドがブームとなっており、作中で結成されたバンド「Fire Bomber」も大きな人気を獲得しました。バサラのボーカルを務めた福山芳樹氏とヒロインのミレーヌ・ジーナスのボーカルを務めたカジワラ・チエ氏は『マクロス7』終了後も「マクロス」シリーズの音楽活動を行っており、2009年以降は正式に「Fire Bomber」としてライブを開催しています。 「マクロス」シリーズの目玉であるメカニックについても、作中の最新鋭機である「VF-19エクスカリバー」やバサラ専用機の「エクスカリバー 熱気バサラスペシャル」、「VF-11MAXL改 ミレーヌ専用機」、最終決戦でマックスとミリアが搭乗した「VF-22S シュトゥルムフォーゲルII」など見どころは満載でした。旧作とは異なりデストロイドの出番はそれほど多くはありませんが、14話に旧マクロス所属の「モンスター01」が当時のクルーの私物として登場しています。 また、ストーリーとして特筆すべき点は、やはり最後の決着部分でしょう。前作では歌を武器としましたが、最後の決着は火器によってもたらされました。しかし本作でバサラは、時として戦いを選択しそうになりながらも、最後まで歌って、歌って、歌を聴かせ続けて本作ならではのラストを迎えています。 ただ、本作をお勧めするにあたっては、ひとつ難点があります。本放送49話に加え、未放送回やOVA、劇場版など、「マクロス」シリーズ最大の物量を誇っているのです。そんな方には、『マクロスF』のキャラクターたちが『マクロス7』の歴史を辿る形でTVシリーズを90分にまとめた劇場用アニメ『マクロスFB7 オレノウタヲキケ!』も公開されていますが、時間のある方にはTVシリーズをお勧めします。