学生納付特例を利用しないで年金を納付している大学生、どんなメリットがある?
20歳になると学生であっても国民年金保険料を納付する義務が生じます。しかし、学生の場合自分で納付するのは難しい場合が多いでしょう。そのために設けられているのが、「学生納付特例」です。 学生納付特例とは、学生が届け出ることで、納付を猶予してもらえる制度です。学費や生活費など、親にとっては金銭的に負担の大きい時期ですので、大変ありがたい制度と言えます。 しかし、この制度を利用せず、国民年金保険料を納付している家庭もあります。それは、どのようなメリットがあるからなのでしょうか?
メリット1 老齢基礎年金を満額もらうことができる
将来、老齢基礎年金を満額もらうためには40年間年金保険料を納付することが必要です。ここで注意しておかなくてはならないことがあります。「学生納付特例制度」を受けた場合、実際には納付しなかった期間も受給資格期間としては認められますが、老齢基礎年金の受給額計算の対象とはなりません。 したがって、そのまま納付しないでいると、将来受給できる老齢基礎年金は満額よりも減ってしまうことになります。一方、「学生納付特例」を受けずに学生時代も国民年金保険料を納付をしていれば、将来年金の支給が開始されたとき、満額を受給することができるのです。 その時の年金事情にもよりますが、現状では、10年もすれば学生時代に払い続けた年金額よりも受給額のほうが上回ることになります。そのあとも、満額受給を死ぬまで続けていくのと、学生時代に納付猶予を受け、そのまま追納しなかった場合の減額された老齢年金を受給し続けていくのとでは、大きな差が出てしまいます。できることなら、「学生納付特例制度」を受けずに、年金保険料の納付を続けたほうが「お得」という結果につながります。
メリット2「追納」は、納付額が高くなる場合もある
「学生納付特例制度」を利用したために、年金受給額が減ってしまうという事態を回避できるように、「追納」という制度が設けられています。どのような制度かというと、学生の間に「学生納付特例」で猶予されていた年金保険料を「学生納付特例」の対象からはずれたあと、つまり、学生ではなくなったあと10年以内なら納めることができるというものです。 ただし、ここで、注意が必要です。「追納」の場合は、納付額が高くなることはあっても安くなることはありません。また、「追納」の手続きを忘れてしまう可能性もあります。そのほか、追納ができる期間には限度があるため注意が必要です。「学生納付特例」を受けずに学生時代にも納付をしておけば、金額も余計に納めなくてすみますし、手間もかからないというわけです。