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【特集】「京アニ放火殺人事件」救護者、住職、警察...そして遺族の『言葉』 消えぬ傷とそれぞれの1年

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MBSニュース

36人が死亡、33人が重軽傷を負った京都アニメーションの放火殺人事件の発生から、7月18日で1年が経ちます。ガソリンをまいて火をつけたなどとして青葉真司容疑者が5月に逮捕されましたが、事件の真相解明には至っていません。事件では、日本のアニメ界の第一線で活躍していた才能あるクリエイターたちが犠牲となりました。遺族をはじめ、多くの人が今も深い心の傷に苦しんでいます。それぞれの歳月を取材しました。

「着物が汚れてるなんて気にしてるどころでは」

「火柱が窓からぼーっと、煙と大きな火の粉が出てきました。走ってこられましたね、7~8人くらいが走ってこられました。」 こう話すのは、事件当日、現場から約50mの場所で日本舞踊の稽古をしていた前田靖子さん(80)です。外に出ると、燃え盛る第1スタジオから命からがら逃げてきた従業員たちが路上に座り込んでいたといいます。 「1人はぺたーっと寝転んでしまって歩けなかったと思います。顔からいっぱい血が流れていましたので、もってきたタオルで顔をふきました。」(前田靖子さん)

前田さんは水や濡れたタオルで火傷をした人の手当てを続けました。あの日、前田さんが着ていた着物を見せていただきました。 「これはもう着ませんので。去年、洗って仕舞ったきりですよ。左袖と裾が血だらけになっていました。着物が汚れてるなんて気にしてるどころではなかったです。」(前田靖子さん)

これまで前田さんは取材に応じることはありませんでしたが、今は事件について自ら語らなければならないと考えています。 「どんな時でも命を大切にっていうことですよね。伝えていかなければいけないですしね。気にかけてくださる方が大勢いらっしゃるとわかっていますので。」(前田靖子さん)

「突き動かすのは遺族の声」

まさに事件が起きていた時間帯にバスで現場周辺を通った興禅寺・藤澤めぐみ住職(52)は、強い自責の念に駆られています。 「たくさんの消防車やパトカーとすれ違ったんですけど、なんだろうなと思うぐらいで私はそのまますれ違って。私の法話はいつもどこかに笑いが入っている形で、皆さんが苦しんでらっしゃる時間帯に私は笑っていたわけじゃないですか。すごくいたたまれない気分になったんです。」(興禅寺 藤澤めぐみ住職)