ソニー生命、長期金利は来年夏1%台半ばへ-40年債投資は手控え継続
(ブルームバーグ): ソニー生命は長期金利が来年夏場に1%台半ばまで上昇すると見込んでいる。主要な投資対象としてきた40年債の新規購入は中断しており、少なくとも今期(2025年3月期)中は手控える方針だ。
坂井秀樹執行役員(運用企画部担当)は28日のインタビューで、10年金利は今期末に1.28%、来年6-9月のピークには1.42%まで上昇すると予想した。日本銀行の利上げは今期中にあと1回、来期中に1回を想定している。利上げや需給悪化により20年と30年金利も上昇を見込む。40年債はピークでも2.77%にとどまるとみている。
07年の発行開始から円債投資は40年債が中心だった。しかし、金利上昇を含む環境変化を受けて「前期途中から購入を控え、今期もほとんど買ってない」と坂井氏は述べた。足元の金利水準は今期末想定を上回るが、さらに購入するとデュレーション(保有国債の平均残存期間)が長くなり、ALM(資産・負債の総合管理)上アンバランスになるとして「極端な話、投資できない」とした。
上昇圧力
27日の40年国債の入札は弱めの結果となり、期待された生保勢の買いは不発に終わった。26日の国債市場特別参加者会合で今期中の超長期債発行減額を求める声は少なく、減額は早くても25年4月になりそうで、超長期債の需給不安が根強い。40年債投資を主力としてきたソニー生命も新規投資を中断しており、買い手不在で超長期金利に対する上昇圧力が続きそうだ。
坂井氏によると40年債は5、6年前までは毎年4000億円程度、米債は2000億円程度買っていたという。このところの金利上昇により含み損が膨らんでおり、減損会計に抵触するリスクに対して「危機感がある」と語る。30年債を中心とする米債投資も「恐らく今後1、2年は新規投資はなかなかない」と言う。
9月末時点の資産(一般勘定)は11兆6838億円、うち公社債は8兆8951億円で、前期末(9兆356億円)、前々期末(9兆3899億円)から残高を削減している。9月末時点の含み損は円債が8353億円、外債は7036億円。
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Masahiro Hidaka