能登半島豪雨、人為的な気候変動の影響か 国際研究チームが分析
9月下旬に石川県の能登半島北部を襲った豪雨について、降水量の増加に人為的な気候変動が影響していた可能性が高いとの分析結果を国際研究チームが29日発表した。 【写真特集】能登地震で横倒しのビル、公費解体始まる 気象庁によると、21日には能登で線状降水帯が発生し、輪島市や珠洲(すず)市で1時間降水量などが観測史上1位を更新。20~22日の総降水量は輪島市で500ミリを超えるなど記録的な大雨となり、元日の能登半島地震の被災地域で甚大な被害が発生した。 研究チームは、今回の豪雨と似た気象条件だった場合、過去(1979~2001年)と現在(01~23年)で降水量などがどう変わるかを気象データを基に分析。その結果、現在は過去に比べて1日当たりの降水量が最大3割増えていた。気温が約1・5度高く、大気中により多くの水蒸気が含まれるようになったことで、沿岸部でより大雨が降りやすくなっているという。 チームは自然の変動だけでは説明できず、温室効果ガス排出増加による地球温暖化の影響によるものと結論づけた。チームのダビデ・ファランダ・フランス国立科学研究センター研究ディレクターは「異常気象によるリスクの高まりへの対応の緊急性を浮き彫りにしている」と指摘する。【山口智】