「遺品整理業者」急増で、遅れる法整備とトラブル増加 費用相場と業者の選びかた
亡くなった人の遺品には、その人との思い出が詰まっています。 かつては「形見分け」とも呼ばれ、残された家族たちで故人の遺品を分け合いました。 しかし、親と子が別々に暮らすのが当たり前の時代、形見分けは「遺品整理」と呼ばれるようになり、専門業者を利用するようになりました。 この記事では遺品整理とはどのようなサービスなのかをご紹介しながら、費用相場はどれくらいかかるのか、後悔しないための業者選びのポイントなどをご紹介いたします。
急増する遺品整理業者
全国で1万を超えると言われている遺品整理業者。 総務省の調べによると平成21年以降の開業が急増しています。 これは平成22年には「無縁社会」が、平成23年には「終活」という言葉が新語・流行語大賞のトップテンに選出された時期に重なっていることからも、社会的ニーズの高まりに呼応していると言えるでしょう。 最近では遺品整理だけでなく、元気なうちから身の回りのものを整理しておく「生前整理」も含めて、終活の中でも大切なもののうちの1つとして捉えられるようになりました。
需要の高まりと遅れる法整備
需要があるところに業者は集まります。 遺品整理サービスは法規制もなく、新規参入もしやすいことから、業者の数は急増。 業者の質は玉石混交で、国民生活センターには、多数の苦情が寄せられています。 特に多いのが、強引な契約や不当な追加請求やキャンセル料などのお金にまつわるトラブル。 さらには処分すべきでないものを勝手に処分されたり、遺族の見えないところで貴金属や骨董(こっとう)などの価値ある品物が窃盗されているという声も聞かれます。
遺品整理の費用相場は20万円から40万円
遺品整理の費用相場は、基本的な整理、区分、処分品の廃棄で1件あたり20万円から40万円程度と言われています。 もちろん建物の面積や部屋数、処分品の量によって金額が変わるのは言うまでもありません。 さらには、オプションとしてハウスクリーニング、特殊清掃、建物の解体、仏壇の処分や供養などを依頼するとさらに金額が追加されます。