長濱ねるが日本初の大規模個展『ダミアン・ハースト 桜』で没入体験。
ハーストが言及するように、キャンバスに絵具を投げつける振る舞いはジャクソン・ポロックのアクションペインティングを思わせ、そしてその色の集積は、観るものを色の点へと解体していくジョルジュ・スーラの絵画を連想させる。大がかりな作品が注目されるハーストだが、もともとは画家を目指していた。アーティストとして歩み始めた80年代から《スポット・ペインティング》シリーズをスタートし、その後も《スピン・ペインティング》、近年では《ベール・ペインティング》と、絵画シリーズを発表している。そして「抽象的でもありながら、具象的でもあったら、この二つの世界を行き来できる」(同カタログ)と考え始めたこの《桜》シリーズは、印象派から抽象表現主義に至る西洋絵画の歴史に対するハーストのオマージュともいえる。
コロナ禍で、一人スタジオにこもり描き続けたという《桜》シリーズ。日本での展示が決まった時、ハーストは心から喜んだという。桜の季節に観る桜の絵画。その美しさ、儚さはひときわ増すだろう。 イヤリング《クラッシュ ドゥ カルティエ》489,500円(カルティエ/カルティエ カスタマー サービスセンター TEL 0120 301 757)。ニットドレス949,300円(ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー/ジルサンダージャパン TEL 0120 919 256)。
photo_Kenshu Shintsubo text_Jun Ishida styling_Naomi Shimizu ...