巨人大物OBが指摘「丸の2番最強論は危険だ」
結局、ゲームは、広島の會澤翼、バティスタの2ラン攻勢に対して、巨人打線は、亀井善行のタイムリー1本だけでしか得点を奪えず完敗。10残塁とチャンスを生かせなかった。オープン戦と言えど去年同様に打ち負けた。 世代交代の流れに逆行するような補強で批判を受けた前オリックスの中島宏之も、DHで3打席立ったが、ライトフライ、三塁ゴロ、四球という結果に終わった。 「巨人は何も変わっていないというのが素直な印象だ。先発ラインナップを見て、丸、新外国人のビヤヌエバ、中島と新しい顔はあったが、生え抜きの存在感をアピールする若手の姿はそこにはなかった。一方の広島には素材として間違いないものを感じさせるルーキーの小園や、外野、捕手の二刀流で面白い坂倉らがいた。もう何度も指摘しているが、よそからお金を使って補強して勝っても意味はない。勝つことを宿命づけられている巨人の難しさはわかるが、同時に若手を育成する必要がある。岡本にしても、昨年は、3割、30本、100打点をクリアしたが、4番を打つのはまだ早い。今年は他球団も対策を練ってくる。4番の責任、プレッシャーに潰される前に5、6番あたりを打たせる方がいいだろう」 広岡氏はOBゆえの厳しい主張を展開した。 生え抜きの若手の象徴である岡本和真も4番で3打数ノーヒット、2三振と精彩に欠いた。 広岡氏は、まだオープン戦の序盤だというのにベテランの亀井あたりを脅かす活きがいい若手がスタメンに名を連ねていない状況を危惧するのだ。 投手陣では育成上がりの3年目、坂本工宜が2イニングを投げ2安打無失点とアピールに成功。スピードガンの数値は、それほど出なかったが鈴木誠也のバットをへし折ったインサイドのボールに球威はあった。 広岡氏は、こういう若手の輝きが、新生巨人にはもっと必要だと訴えるのである。 きょう6日には、広島対巨人の第2戦が行われる。今季優勝争いを演じると予想されている両チームの前哨戦の第2ラウンドで原巨人は、広岡氏を脱帽させるようなインパクトを与えることができるのだろうか。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)