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ロンドンパラリンピックの感動と後悔 【プロの瞬撮】

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TOKYO HEADLINE WEB

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。 ロンドンパラリンピックは魅力に溢れていた。8年経った今でもそう思う。これまで夏冬オリンピックやサッカーワールドカップを立て続けに取材させてもらったが、それらに勝るとも劣らないほどの充実ぶりだった。 当時、自分に課した撮影テーマ は「パラスポーツをスポーツグラフィックとしてカッコよく見せる」。 それが出来る環境がロンドンにはある。まだ新人だった僕はそう息巻いた。 現場では体力の限り歩き回った。後先考えずに動いた結果、開始3日で疲労はピークに達した。ロンドンはペース配分の大切さも教えてくれた。 アスリートの患部や補助器具はさり気なく表現したいと思った。というか、自然と障がい以外にフォーカスしていた。連日満員のスタジアムが作り出す熱狂と選手達の純粋なリアクションは写真に力を与えてくれたからだ。 同業のカメラマンにも恵まれた。面白い選手がいると聞き、同行させてもらった先にいたアーチェリーのマット・スタッツマンを見た時の衝撃は忘れられない。自分史上最高の「なんじゃこりゃ」はこの時生まれて、まだ破られていない。 日本代表の国枝慎吾、田中康大、ゴールボールの金メダルなど大会のハイライトになるシーンにも居合わせた。 こうしてパラリンピックの良いところを全部乗せしたような初の海外出張はコールドプレイの生演奏で華々しく幕を閉じた、はずだった。 意気揚々と帰国して、会社の先輩に撮ってきた写真を見せた。すると返って来た感想は 「障がいに目を逸らしていないか」。 当時は「何で分からないんだ」と反発心が芽生えた。しかし、客観視できる今なら分かる。無意識のうちに現地で見た感動と写真を混同してしまっていたのだ。写真に写っていない部分は勝手に脳内補完。ビジュアルだけを整えて、実がない。上手く伝える事が出来なかった悔しさは今もまだ心の中に残っている。 本当なら今はちょうど東京パラリンピックは佳境を迎えている頃だったはずだ。改めて思う。パラリンピックは面白い。多くの人に見てもらいたい。そのために、僕も8年前の後悔を生かしながら、やはりカッコいいパラアスリートの写真を届けたい。 ■カメラマンプロフィル 撮影:長田洋平 1986年、東京出身。かに座。 早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。 2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。 最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。 今年の目標は英語習得とボルダリング5級。 <アフロスポー> ャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。 各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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