UFCファイター・平良達郎も大絶賛。映画『若き見知らぬ者たち』の超リアルな格闘シーンはこうして生まれた!
平良 それはありますね。特に序盤は「当てよう、当てよう」と気負いすぎちゃう。それにお客さんに囲まれたケージの中で、上半身裸で、対戦相手と1対1で向き合う感覚は練習のときとは違いますからね。 福山 (頷く)。 平良 いい意味でも悪い意味でも試合になったらいつもと違う感覚みたいなのはありますね。試合が進むにつれ、少しずつ体が馴染んでいく。 福山 やっぱりそうですよね。 平良 デビュー戦から3戦目くらいまで、セコンドの声は聞こえなかったですから。だからセコンドからは「達郎、落ち着け!」という指示がよく飛んでいました(笑)。 福山 僕がケージの中に入って闘ったのは一日だけですけど、セコンドからの指示は台本と同じなので耳に入っていました。でも、歓声は闘っている者にとってパワーになるし、なんだろうな......本当にわけがわからなくなるというか、歓声によって制御が効かなくなるような......あれは不思議な体験でした。 平良 そうですよね。僕も相手の攻撃などで会場が盛り上がっていたら、無意識のうちに「やり返さないといけない」という気持ちになる。なんかちょっとフワフワする感じがしましたね。 (第3回につづく) ●福山翔大(ふくやま・しょうだい) 1994年、福岡県出身。映画『クローズEXPLODE』(14)のオーディション参加をきっかけに芸能界入り。エキストラから出発し、下積みを経て、ドラマ「みんな!エスパーだよ!」(TX)で俳優デビュー。 2017年には「おんな城主 直虎」(NHK)で大河ドラマに初出演。その後もドラマ「スカム」(MBS)「MIU404」(TBS)「恋はDeepに」(NTV)「明日、私は誰かのカノジョ」(MBS/TBS)「にがくてあまい」(THK)と出演を重ねる。映画では『JK☆ROCK』で映画初主演を務め、その他『花束みたいな恋をした』(21)『ブレイブ -群青戦記-』(21)『砕け散るところを見せてあげる』(21)など。2024年春クールのドラマ「ACMA:GAME アクマゲーム」にはレギュラー出演している ●平良達郎(たいら・たつろう) 2000年、沖縄県出身。高校1年のとき、パラエストラ沖縄に入会し、総合格闘技のトレーニングを開始。アマチュア修斗を経て、2018年8月プロデビュー。同年11月、修斗フライ級新人王に輝く。破竹の快進撃を続け、2021年7月に修斗世界フライ級王座獲得。2022年5月からUFCに参戦し、現在7連勝中でUFC世界フライ級ランキング5位。10月12日(日本時間13日早朝)に、同級1位のブランドン・ロイバルと対戦 ■『若き見知らぬ者たち』 10月11日(金)新宿ピカデリーほか全国公開 ©2024 The Young Strangers Film Partners 取材・文/布施鋼治 撮影/長尾 迪