「なぜロシアのことなんか勉強するんだ」 反対されても、ロシア語学科に進学 その思いとは?
就職先は商社やメーカーが主流
ロシア語学科では、卒業するまでにロシア語を使って仕事ができるレベルの力をつけることを目標としています。卒業生たちは、どのような道に進んでいるのでしょうか。ロシア語学科の秋山真一教授は、こう話します。 「多いのは商社とメーカーです。商社は五大商社のほか、ロシア語圏をターゲットにした専門商社などに就職しています。メーカーは最近の情勢によって減ってはいますが、ロシアに進出した自動車メーカーや医薬品メーカーに就職し、ロシア語の知識を生かしているようです」 また、直接的にはロシア語と関係ない企業に就職する学生も少なくありません。 「金融業界に就職した卒業生がロシア語圏の支店に赴任したとか、メーカーに就職した卒業生がモスクワの工場に赴任したといった話を聞きます。社会に出ると思いがけず、ロシア語の知識が生かされることもあるようです」(秋山教授)
「反対意見をうのみにしない」
ウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、ロシア語学科の学生はロシア語を学ぶことを非難されたり、批判的なことを言われたりすることはなかったのでしょうか。 「『なぜロシアのことなんか勉強するんだ』と進学を反対された学生は、一定数いるようです。しかし反対意見をうのみにせず、そうした意見の根拠や実際に世界で起こっている事象を冷静に分析して、それでもやはりロシアについて学びたいと考えて入学してきてくれているようです」(秋山教授) ロシアについて知りたいと強い意思を持って学び、ロシア語でコミュニケーションを取れることは一つの個性となり、社会に出てからも強みとなることでしょう。 (文=中寺暁子)
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