「車でしか行けない食堂」でアルコール提供! これってアリ? 飲酒事故2000件超の現実で問われる、ドライバーのモラルとは
不便な立地とアルコール提供のジレンマ
飲酒運転に対する規制は厳しくなっている。2023年の飲酒運転による交通事故件数は2346件に上った。さらに、2024年11月からは、自転車の酒気帯び運転も罰則の対象となることが決まり、 【画像】「なんとぉぉ!」これが34年前の「海老名サービスエリア」です! 画像で見る(17枚) 「交通アクセスが不便な場所にある食堂」 でのアルコール提供に注目が集まっている。 公共交通の便が悪い、または本数が少ない地域では、自動車でのアクセスが主流となる。特に山間部などの人里離れた場所では、その傾向が顕著だ。テレビやネットでは、アクセスが不便な飲食店が「知られざる名店」として紹介され、その独自の価値が評価されることも多い。 ただ、飲酒運転が問題となると、交通事故のリスクが高まる。 一方で、こうした食堂は、地域にとって貴重な飲食店であり、地域活性化や観光促進に貢献するという側面もある。 では、アクセスが不便な場所でアルコールを提供することは問題なのか、それとも地域振興の利点がそれを上回るのか。本記事では、この問いに対する筆者(古宮宗、フリーライター)の考えを述べながら、さまざまな視点を整理し、可能な解決策を提案する。 わざわざ書くまでもないが、ドライバーによる飲酒運転は論外であり、これを前提に話を進める。
筆者の意見
すべての飲酒運転が店での飲酒が原因ではないが、車でのアクセスが一般的な地域でアルコールを提供することには筆者は懸念を抱いている。 地方では、駐車場完備の居酒屋が多く見られる。こうした店では、飲酒後に車を置いて家族やタクシーに迎えに来てもらったり、運転代行サービスを利用することが一般的だ。しかし、運転代行がすぐに利用できない場合もある。 運転代行とは、飲酒などで自分で運転できない場合に、業者のスタッフが依頼者の車を運転して自宅まで送り届けるサービスだ。通常、ふたりのスタッフが対応し、ひとりが依頼者の車を運転し、もうひとりが専用車両で同行する。代行終了後、スタッフは専用車両で帰路につく。 酔っ払っていると、運転代行の手続きが面倒に感じることもある。また、人通りの少ない田舎道では、「問題ない」と感じて運転してしまうリスクも考えられる。 繰り返しになるが、ドライバーによる飲酒運転は絶対に許されない。これを前提に続ける。