「車でしか行けない食堂」でアルコール提供! これってアリ? 飲酒事故2000件超の現実で問われる、ドライバーのモラルとは
送迎サービスで利便性向上
運転代行の検索サイト『代行ナビ』の情報によると、東京エリアでは運転代行の基本料金が2000円からで、1kmごとに300円程度が一般的だ。 一方、運転代行が盛んな福岡市では、初乗り料金が1kmまで1000円、2~3kmまで2000円といった料金体系が多い。東京に比べると利用しやすい料金設定だが、乗り合いをしない場合は決して安くはない。 地域内でシャトルバスを運行するなどの対策があれば、さらに便利だ。実際、食堂が送迎サービスを提供したり、宿泊施設を併設している場合もある。 筆者も、バス停が近くにあるものの本数が少ない食堂で、無料の送迎サービスを利用したことがある。 このサービスは通常、3人以上の利用者がいる場合に提供され、食堂には宿泊施設も併設されているため、空室があれば宿泊することもできる。
食堂運営に求められる責任
食堂が徒歩や電車ではアクセスできない場所でアルコールを提供することには、飲酒運転のリスクがともなうという課題がある。 一方、地域振興や観光促進の観点では、アルコール提供が経済的な利益を生む可能性もある。 とはいえ、飲酒運転に関する法律と自治体の要請を踏まえ、食堂は飲酒後の帰宅手段を確保するための対策を講じる責任がある。安全性を最優先した運営が求められる。 最後にもう一度、ドライバーによる飲酒運転は決して許されない。
古宮宗(フリーライター)