次世代練習機T-7A、米空軍に初納入
ボーイングは、新規開発したジェット練習機T-7A「レッドホーク」を米空軍に初納入した。老朽化したT-38「タロン」の後継機で、351機が引き渡される見通し。 T-7Aはエドワーズ空軍基地に配備される計画で、ボーイングによると当面は同社の工場があるセントルイスで飛行試験を続けるという。 T-7Aは、T-Xとして開発が進められてきた単発練習機で、1959年に初飛行したノースロップ・グラマン(当時ノースロップ)T-38の後継機。F-22やF-35といった第5世代戦闘機のパイロット養成を主眼に置き新規開発した。T-Xの飛行試験初号機は2016年12月20日に、2号機は2017年4月24日に初飛行し、2019年9月にT-7「レッドホーク」と命名された。 エンジンは単発ながら双発のT-38Cと比べて推力が約3倍となり、近年の戦闘機と同じ垂直尾翼が2枚の「ツインテール」を採用して全高を抑えた。コックピットは教官が座る後席を前席よりやや高い位置に配した「スタジアムシーティング」とすることで視界を確保している。地上とのデータリンクやキャノピーを横開きにするなど、T-38を使う教官の声を開発に反映し、製造コストを抑えた。 2024年までに初期運用能力、2034年までに完全な運用能力をそれぞれ獲得できる見込み。ボーイングは、日本を含む海外でのライセンス生産にも意欲を示している。
Tadayuki YOSHIKAWA