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「この人がお笑い辞めちゃダメだと思って…」東京03飯塚が“負け続け芸人人生”から飛躍した出会い

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新R25

社会に出ると、常に心のどこかに置かれる「勝ち負け」の基準。 もちろん、目標を決めて努力することは有意義でやりがいもあるけれど、勝ち負けばかり考えているとちょっと疲れてしまうのも正直なところ。 そんなことを考えていた筆者は、とある面白そうな番組を発見しました。 それは「負け犬」をテーマとした、BSフジで毎週水曜23時から放送中のコント番組。 さまざまな「負け」エピソードを元にコントを制作し、実写やアニメなどのかたちで笑いにしようという番組です。 メインで出演するのは、芸人たちからの評価も高いコントグループ・東京03。 番組を見ていると、メンバーの1人である飯塚悟志さんは「僕らにぴったりの番組ですよ。負け続けてきた人生ですから」と語っていました。 好きなコントをやり、楽しんでいるように見える飯塚さんが、「負け続きの人生」? 疑問に思った編集部は、飯塚さんに取材の機会をいただくことに。負け続きだと語る本人に、「負けとの正しい向き合い方」について、お話を聞いてきました。 〈聞き手=いぬいはやと〉

「天才になれなかった」最初の負けと、「辞めさせたくないヤツ」との出会い

乾: 今日はよろしくお願いします! 早速ですが、飯塚さんが番組で「負け続けの人生」って言っていたことが気になって。 飯塚さん: 本当、その通りですよ。 乾: でも、単独ライブはまったくチケットが取れないと聞きますし、ラジオコントのレギュラー番組もお持ちで。 角田さんは、ドラマ『半沢直樹』や『いだてん』に出演されたり、めちゃくちゃ活躍されてるじゃないですか! 飯塚さん: まあ今はね、昔はそんなうまく行ってなかったですから。 乾: ぜひぜひ、飯塚さんの「負けエピソード」を聞かせてください。 飯塚さん: …そもそも、僕はこの世界に入ってきたときはめちゃくちゃ自信満々だったんですよ。高校のころからコントの台本を書いてたし。 しかも「コントを文化祭なんかではやりたくない」って思うくらいには尖ってて。 乾: 「文化祭ごときで」ってことですよね? 尖ってる…! 飯塚さん: そう。それで芸人の世界に入って、いろいろコンビを組み替えたあと、豊本(明長)とアルファルファってコンビを組むんですけど、それが全然ウケなくて。 乾: 東京03のメンバーのうち2人がそろったのに、ウケないなんてことあります? 飯塚さん: それがあったんですよね。 自分たちのやりたいことを好き勝手やってたんですけど、ビックリするくらいお客さんに伝わらなかった。 仕方ないから「お客さんはこういう感じが好きなんじゃない?」って“寄せた”ネタをやるようになって。CMのフレーズをイジってみたりとか。 そしたら少しずつ、その場ではウケるようになっていった。 乾: うまく軌道修正したように見えますが…それがどうして負けだったんですか? 飯塚さん: 同世代でライブに出てたやつら、たとえばおぎやはぎ、アンタッチャブル、ドランクドラゴン…とかは、自分たちのやりたいことをやってめちゃくちゃウケてたんですよ。 それって一番いい状態じゃないですか。 乾: こっちはお客さんに合わせてネタやってるのに…? 飯塚さん: そう。 こっちが「ウケてるからいいか…」ってCMイジりみたいなネタしてるうちに、みんなは自分たちの笑いで結果を出してた。気づいたらすごい差を付けられてて。 もうこいつらすげえ、天才だ!…って自覚したのが最初の負けですね。 乾: それは辛い。 その「負け」にはどう向き合ったんですか? 飯塚さん: 負けてることに落ち込むよりも、大事な役割が見つかったんですよ。 実はその頃、角ちゃんが「芸人辞める」って言い出して。 乾: えっ、どういうことですか? 飯塚さん: 角ちゃんは当時、別の人と「プラスドライバー」ってコンビを組んでて。ライブでも一緒になるから仲が良かった。 すげえ才能があるやつだ、って思ってたのに、コンビを解散したから辞めるとか言い出した。 乾: それでどうしたんですか? 飯塚さん: 「もったいないよ! だったら俺らと一緒にやろう!」って必死に引き止めましたね。 「才能のある角田を辞めさせない。世の中に出す」ってことが、自分の使命みたいなもんだと思ったんですよ。 乾: それ、バナナマンの設楽さんも似た話をされてました。「日村さんを世に出すのが使命だ」と。 負けた自分をどう慰めるかとかではなく、自分の使命が見つかったから、頑張らざるを得なくなったんですね。 しかし、飯塚さんをそこまで奮い立たせた角田さんって一体…? 飯塚さん: 一緒に飲んでたときから、「この人は、僕らがやりたい”本質的な笑い”を持ってる人だ…!!」ってずっと思ってたんです。 センスある一言とか、奇をてらった行動とかじゃなくて、ボソッと言った本音が面白い、みたいな。 この人にお笑いを辞めさせちゃ、ダメだと思った。 俺らも当時、「あと1年くらいやってダメだったら辞めるか」って感じだった。 だから後悔のないように、3人でやるお笑いはライブでウケなかろうが好きなことやろうって話して。 乾: おお…これまでの「お客さんに寄せた笑いをやる」って負けパターンに、変化が訪れましたね。 飯塚さん: そう。お客さんより、矢作さんとかザキヤマとか、俺らがすごいと思った人を笑わせようって。 そうやってると、2階席からザキヤマが笑ってくれてる声が聴こえたりするんですよ。お客さんは全然笑ってないんですけど(笑)。 それで初めて手応えを感じて。 乾: よかった…! 飯塚さん: そうやって決めたことを続けてると、「え、やりたいお笑いってこんなに伝わるもんなの?」って、ビックリするぐらいお客さんにもウケるようになったんですよ。 乾: “やりたいことをやる”方向転換で、「天才たちに負けた経験」を乗り越えたんですね…!

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