世界で累計出荷台数500万台突破の理由は?「レンジメート」シリーズから新型「マグポット」が新登場!
生活のマストアイテムといえる電子レンジ。「電子レンジは温め調理のためのもの」「焼き目はつけられない」と思っている人も多いのではないだろうか。そんな人が驚くこと間違いなしなのが電子レンジ調理器具「レンジメート プロ」だ。使い方は簡単。食材を入れ、蓋をして電子レンジで加熱をするだけ。600ワットで4分。それだけで、きれいな焼き目がついたジューシーな焼き魚が完成する。もちろん調理できるのは魚だけではなく、肉や野菜にも焼き目をつけることが可能だ。 【写真】これ全部電子レンジで作りました!「レンジメート」シリーズで簡単&おいしい食卓を そして2024年12月6日には、ご飯が炊けるポット型の「レンジメート マグポット」が仲間入り。マグポットの魅力はたった11分でおいしいご飯が炊けること。加えて、煮物、汁物、デザート、オーブン料理も可能な1台8役の万能調理器具で、毎日の暮らしをより豊かにしてくれる。 世界27カ国で販売され、累計500万台を超える大ヒット商品「レンジメート」シリーズの強みはどこにあるのか。株式会社MUK代表取締役の山本吉郎さんに話を聞いた。 ■コロナ禍の「巣ごもり需要」、一人暮らし世帯や高齢者増加といった社会情勢とマッチ 「レンジメート プロ」の誕生は2005年。電子レンジ調理でも焼いたようにおいしい調理ができるものをということで開発がスタートしたが、その道のりは険しかったそうだ。 「開発には3年以上かかったと聞いています。香ばしい焼き目をつけるためには、短時間で鉄板を高温に加熱する必要があるのですが、電子レンジのマイクロ波でそれを実現するのは非常に難しかったそうです。特殊な発熱体を作るために、世界中からさまざまな素材をかき集めて配合し、構造を何度も変更して数え切れないほどの試作実験を繰り返しました」 山本さんがレンジメートと出合ったのはコロナ禍よりも少し前のこと。 「私の前職は美容機器の営業本部長でした。商品の販売ばかりをしていたことから、もっと商品の製造面にも携わっていきたいと思うようになり、2013年にMUKを立ち上げました。そこから美容家電の製造販売をしていたのですが、レンジメートに出合い、コロナ禍の2020年にMUKでレンジメートシリーズを販売することになりました」 短時間でおいしい調理ができるように、パワーアップして販売。プレートの表面にはフッ素コーティングをほどこし、焦げ付きにくく。断熱構造にすることで、本体自体は熱くならないため、取り出すときも安心。そんな工夫の数々が功を奏し、コロナ禍の巣ごもり需要も相まって売り上げを伸ばしていった。 「現代社会は一人暮らしや少家族、高齢化が進んでいて、既存のキッチン文化とは異なった食文化が育っています。レンジメート プロは火を使わないで焼き目をつけられるのが最大が魅力ということで、ご高齢の方や料理が苦手な方、お子様からの支持を集めました。それから、一人暮らしの方にもぴったりのアイテムですね。単身者用の住まいでは、魚焼きグリルがついてないなど、キッチン設備が充実していないことも珍しくありません。それでも電子レンジさえあれば、レンジメートでおいしい焼き魚が食べられる。レンジメート プロは1台8役の万能調理器具で、焼き魚やハンバーグなどの“焼き”以外の“蒸し”や“茹で”調理にも活用できます。簡単、時短でメニューの幅を広げられたことが、レンジメート プロがヒットした大きな理由だと思います」 ■11分加熱でご飯が炊ける!「レンジメート マグポット」の魅力 12月新発売のレンジメート マグポットは「釜で炊いたように香ばしくておいしいご飯を電子レンジで作る」というコンセプトで開発された。レンジメート プロでのノウハウはあったものの、炊飯調理のためには超えなければならないハードルは多かったという。 「レンジメート プロは焼き調理を主軸にした構造・素材のため、ご飯をおいしく炊くための蒸らし工程を強化する必要がありました。釜に厚みを持たせることで、熱を均一に加えられる構造にしました。また、釜と本体の隙間に空気層を作ることで、空気の対流による熱を逃がしにくくするようにしています。ガス火で鍋を使って炊飯をすると、軽くて薄い鍋の蓋がガタガタと動くことがあります。蓋が動いてしまうと鍋内部の温度が維持されないのですが、既存のレンジメートで同じ問題がありました。そこで、蓋を厚く重くすることで、保温性を高めました。こうした工夫のおかげで、1合のお米なら、600ワット11分の加熱(蒸らし10分)でおいしいご飯が炊けるようになりました」 そしてもう一つ、レンジメート マグポットではそれまでのシリーズとは大きく異なっていることがある。 「マグポットは食器洗浄機に対応できるようにしました(※つけ置き洗いは禁止)。既存のレンジメートには本体に穴があって、そこから水が入ってしまうとうまく温めができなくなってしまうという弱点があったのですが、マグポットは穴をなくすことができました。ただ、このために関連部品の金型を20回以上修正したので、開発陣の負担は相当だったと思います」 電子レンジ調理器具自体はさまざまなメーカーで販売しているが、レンジメートシリーズが国内トップシェアを誇るのはなぜだろうか? 「加熱温度が圧倒的に高いというのが大きいですね。他社製品では200度くらいまでしか上がらないですが、レンジメートシリーズは短時間で340度以上の高温になります。高温調理のおかげで、時短で省エネです。しかも、発熱体が遠赤外線を出すので、出来上がりのおいしさが圧倒的に違うと自負しています。おかげさまで電子レンジ調理器具といえばレンジメートというくらい反響をいただいてはいるのですが、類似商品とレンジメートを混同されてしまう方もいらっしゃって、その誤解を解いていくのが今後の課題ですね。テレビなどの既存メディア、SNSなどの新しいツール、さまざまな角度からレンジメートを訴求し続けていきたいと思っています」 レンジメート マグポットは、スープ類を作るのにも向いているが、山本さんいわく「まずは白米を炊いてほしい」とのこと。炊飯器では早炊きモードでも20分~40分かかるとされているが、それよりも短い時間で炊ける。蒸らし時間の間にレンジメート プロを使えば、おかずを作ることもできる。少子高齢化により、今後ますます単身者世帯が増える日本。レンジメートシリーズは、日本の食卓に新たな文化をもたらすのかもしれない。 取材・文=西連寺くらら ※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。