藤崎町が大の里に贈る予定の化粧まわしのデザイン（町提供）

　大相撲秋場所で優勝し大関昇進を果たした大の里（24）＝石川県出身＝に対し、しこ名の由来となった元大関大ノ里（本名・天内萬助、1892～1938年）の出身地・青森県藤崎町で発足する後援会が、化粧まわしを贈呈する。初土俵から所要9場所で大関となった大器を「初代」の故郷からも応援する。 　大の里が8月20日に町を訪問したことをきっかけに、平田博幸町長が化粧まわしの贈呈を決定、町商工会と共に実行委員会をつくった。今月から化粧まわし作製に向けた協賛金を募り、24日時点で約280万円が集まったという。後援会の会長に就く平田町長は25日の東奥日報の取材に「（大の里は）体格に恵まれた記録ずくめの力士。相撲界を背負って立つ大横綱になって」とエールを送った。 　化粧まわしは白地にまっ赤なリンゴが映えるデザイン。金字で「大の里」「ふじ」「青森県藤崎町」と書き、「馬簾（ばれん）」と呼ばれる飾り部分の色は大関以上しか使うことができない紫色にする。新大関として迎える11月の九州場所に合わせ、平田町長のほか、大ノ里を曽祖父に持つ天内司さん（71）＝同町＝らが福岡県を訪れ、本人に直接手渡す予定。 　平田町長は、12月中にも大の里や二所ノ関親方（元横綱稀勢の里）らを町内に招いて祝賀会を行い、その場で後援会を正式に発足させる考えを示した。毎年の初場所初日には会員有志で現地で応援するという。 　元大関の大ノ里は身長161センチと小柄ながら、大正から昭和初期にかけて7年間大関の地位を守り「相撲の神様」と呼ばれた。