箱根駅伝直前シミュレーション!東洋大と東海大は青学大のV5を阻止できるのか?
東海大はほぼ順当な顔ぶれで、4区に館澤亨次(3年)or 關颯人(3年)、9区に主将・湊谷春紀(4年)の投入が濃厚だ。今回のエントリーを見て、おそらく両角速駅伝監督が一番ほくそ笑んでいたと思う。東海大は2区に湯澤舜(4年)を入れてきたが、青学大・森田と東洋大・相澤との戦いを想定した場合、明らかに分が悪かった。しかし、梶谷と山本との争いになれば、互角に近い戦いができるからだ。 梶谷と湯澤は全日本8区で直接対決している。そのときは、学生ハーフ王者・梶谷が58分44秒の区間3位、関東インカレハーフの日本人トップ・湯澤が59分06秒の区間4位だった(ちなみに区間賞は相澤で58分23秒)。湯澤はスピードに欠けるものの、粘り強さが武器の選手。2区23.1kmも終盤で強さを発揮するだろう。 そして今回のエントリーで目を引いたのが7区だ。前回区間新の青学大・林奎介(4年)に対抗すべく、東洋大は前回10区区間賞の小笹椋(4年)を、東海大は前回2区7位の阪口竜平(3年)をぶつけてきた。 では3強の戦いを具体的にシミュレーションしていこう。1区走者の実力はそん色ない。青学大・橋詰大慧(4年)は出雲1区で区間賞、東洋大・西山和弥(2年)は前回1区区間賞、東海大・鬼塚翔太(3年)は前々回1区2位。正直、誰が勝つのか予想をするのが難しいくらいで、タイム差はつかないと思う。ただ、東京国際大が1区にモグス・タイタス(3年)を入れており、ハイペースになる可能性もある。ここで大きく遅れると、3強といえども、2区で立て直すのは簡単なことではない。 順当なら2区も大差はつかないだろう。それだけに、東洋大と青学大は、1区で青学大を1秒でも引き離して、2区梶谷にプレッシャーをかけたいところだ。逆に青学大は2区終了時でさほど差がつかなければ、山で十分に逆転できる。 青学大はおそらく3区に1万m28分31秒66の鈴木塁人(3年)を投入してくるはずで、3区は東海大、東洋大より上と見る。4区は東洋大・相澤の実力が抜けているものの、状態を予想すると、大差はつかない。トップでタスキを受けた大学が、じわじわとリードを広げるような気がする。 5区は青学大が一番計算できる。竹石尚人(3年)は前回、終盤に脚をつりながら区間5位(1時間12分49秒)で走っているからだ。対して、東洋大・田中龍誠(2年)は前回9位(1時間14分16秒)。今回は「1時間13分前後」を目標にしているとはいえ、実力は竹石の方が明らかに上だ。東海大・西田壮志(2年)は期待のクライマーで、両角監督は「1時間12分前後」を想定しているが、初挑戦だけに走ってみないとわからない部分がある。 青学大・原晋監督は、「4区終了時で東洋大と2分以内なら逆転できる。6区終了時でトップに立てれば、あとは前回のビデオを再生するようなもの」と5区以降は自信たっぷり。東洋大・酒井俊幸監督は、「往路を終えて最低でも前回(36秒)以上。できれば2分のリードがほしい」と話し、東海大・両角監督も「往路優勝は必ず。追いかける展開は厳しい」と読んでいる。 6区は前回58分03秒(区間歴代2位)で区間賞を獲得している青学大・小野田勇次(4年)がナンバー1になる。しかし、東洋大は前回5位(59分31秒)の今西駿介(3年)、東海大は同2位(58分36秒)の中島怜利(3年)をすでに配置済み。東洋大は今西を平地にまわすプランもあったが、出雲5区区間賞の実力者で6区の劣勢を食い止める作戦だ。“山下りの神”といえども、今西と中島が前を走っていたら、追いつくのは容易ではない。