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「高校3年間の集大成の場を」 元テニス実業団選手、高3限定のテニス全国大会を実現

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産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大で高校生のスポーツ大会の中止が相次ぐ中、テニスの元実業団選手が「高校3年間の集大成の場を」との思いから、高3限定のテニス全国大会を企画した。開催に賛同の輪が広がり、横浜のクルーズ船で消毒作業に当たった清掃業者らが会場での感染対策に協力。運営資金はインターネットを活用したクラウドファンディング(CF)で調達するなど、多くの支援者に支えられ実現にこぎつけた。  今月5日から地方大会が行われているのは、高3限定のテニス全国大会「全国高3テニス チャレンジトーナメント」。コンサルティング会社「ネクサス」(東京)を経営する高松伸吾さん(42)が発案した。強豪の早稲田大庭球部出身で25歳まで実業団で選手を続け、現在は同社でテニスコーチの育成・派遣事業などを手がけている。  感染が拡大した4月、高校生が出場を目指す全日本ジュニアと全国高校総体の中止が決定。高松さんには「高3生がかわいそうだ」との思いが募ったが、日本テニス協会や全国高等学校体育連盟などから代替大会の動きはみられなかった。  「誰もやらないなら、やるしかない。努力の成果を発揮する場所をプレゼントしよう」。高松さんは決意し、同郷の先輩でアトランタ五輪代表、鈴木貴男さんや国内最大級のテニス総合サイト「テニス365」の責任者らに声をかけて、計画をスタートさせた。  高松さんらは全国10会場で9~10月に地方大会を行い、男女の上位進出者各32人による全国大会を11月に計画した。大会運営に必要な資金は約800万円。「個人では到底賄えない」と、CFの活用を決め、広く支援を求めた。開始から1カ月半の8月半ばには目標金額を達成。申し込みは計853件に上った。  返礼品の目玉や選手への記念品にするため、人気漫画「テニスの王子様」をはじめ、テニス漫画4作品のキャラクターを集めたTシャツやタオルを製作。出版社の垣根を越えた協力を取り付けた。テニスの王子様のミュージカルなどに出演した俳優の城田優さんは「仲間たちと最高の思い出を作ってください」とのビデオメッセージを寄せ、スポーツ庁の後援も得た。  全国約400人から参加申し込みがあり、9月5日の関西大会から予定通り開始。保護者やコーチらを含め無観客で行うため、NTTドコモから通信機材の提供を受け、全500試合以上のネット中継も決めた。配信した試合動画の再生は17日時点で4万5千回以上に達している。  会場での感染防止対策はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の消毒作業を担った一般社団法人「日本特殊清掃隊」の力を借りた。同団体の加盟業者が会場で消毒を実践するほか、動画マニュアルも作成。靴底などの消毒方法や試合終了後に対戦相手と握手をせず、距離を取ってあいさつすることなども定めた。  「最高の機会をありがとうございます」「よい引退試合になりました」  熱戦が続いた各会場で選手らは横断幕に思いをつづった。高松さんは「テニス大会の開催経験もなく、準備はとにかく大変だった。それでも会場で選手のがんばる姿や寄せ書きを見たら報われた。一生の記憶に残れば言うことはない」と笑顔で試合を見守った。

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