60年ぶり新弟子「アニメきっかけに鍛冶に興味」打刃物職人めざす18歳 “最年少74歳師匠”の元で修業中 町の職人は5人だけ
“師匠”石田俊雄さん(74): 「今教えているのは『信州型』といって、信州独特の形。大きさ18cm、幅はこれくらいって基本があるので、それに近づけている」
「かみそり鎌」と呼ばれる鋭い刃が特徴の「信州鎌」。刈り取った草が手元へ寄せられるように「芝付け」という加工が施されています。 “師匠”石田俊雄さん(74): 「(芝付けは)柄が刺さるところが角度ついてる。だから刃元から草に当たって切れやすい、使いやすい」
石田さんが「見本」を作ってくれました。 “師匠”石田俊雄さん(74): 「昔ながらのやり方で、『コミ曲げ』というのをやってみます。しっかり持って、目的の所狙って、よしここだって決めたら、位置が難しいんです。この位置で全然鎌が違くなっちゃう」
鎌の頭と柄をつなぐ「コミ」を作る作業。鋼を曲げる難しい工程です。 “師匠”石田俊雄さん(74): 「よし、こういう感じ。コミを曲げるから『コミ曲げ』」
4枚重ねると石田さんの刃は「個体差」がほとんどないこともわかります。 大木島蓮さん(18): 「自分はまだまだだなって感じるとともに、頑張って学べば師匠みたいになるのはやりがい」
■師匠「下手上手は二の次」成長に期待
指導して約7カ月。着実に成長する大木島さんに石田さんは期待を寄せています。 “師匠”石田俊雄さん(74): 「たまたまね(大木島さんは)大当たり、こうはうまくいかない。下手上手は二の次で、できてはじめていいんだから、それから自分で努力すれば自然に上手にもなるし、人にも認められるし、するとますますやめられなくなると、そういうふうになってもらいたい。自分の力じゃ増やすわけにいかないから、また大木島君みたいな人物が現れるといいけど」
伝統を受け継ぐ18歳。修業は始まったばかりです。 大木島蓮さん(18): 「鍛造をとにかく頑張って覚えなきゃいけない。自分が今できることをとにかくやって、次に来る人(後継者)たちの土台を残していければ」
長野放送