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世界初の全匹帰還 “宇宙マウス”研究に健康長寿のヒント 遺伝子研究家「不老長寿に資するような成分・薬の開発期待も」

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ABEMA TIMES

 東北大学やJAXAなどの研究チームは今月、宇宙でのマウスの研究から加齢変化を食い止める遺伝子の働きについて公表した。 【映像】“宇宙マウス”研究に健康長寿のヒント  研究では、環境ストレスから細胞を保護する働きをする「Nrf2」を欠損させた“Nrf2遺伝子ノックアウトマウス”6匹と普通のマウス6匹を、国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」でおよそ30日間飼育。

 その結果、普通のマウスは微小重力などの宇宙ストレスによってNrf2などが活性化し加齢変化を食い止めたのに対し、Nrf2を欠損させたマウスは老化現象が加速していることが判明した。Nrf2には老化の加速を食い止める役割などがあることがわかったという。  今回の研究では、世界で初めて宇宙に滞在した遺伝子ノックアウトマウスも生きて地球に帰還した。宇宙ストレスは様々な加齢変化を早回しで引き起こすことがわかり、今まで地球上で何年もかかるような老化の実験を、宇宙でのマウス実験で短期間で行えることも明らかになった。  今後、ヒトのNrf2遺伝子を調べることで、健康リスクを調べることも可能になる。また、Nrf2遺伝子を活性化させれば、宇宙だけでなく地上における高齢者の健康を守る薬の研究・発展に期待されるということだ。

 今回の実験について、遺伝子解析ベンチャービジネスを展開するジーンクエスト代表取締役の高橋祥子氏は「そもそも宇宙に行った時に加齢のような変化が起こるということは言われていたが、血中の代謝物質の測定や遺伝子発現の変化など、実際に加齢的な変化が起こっていることをデータとして出したのがまずひとつ。その上で、(加齢の)抑制に関わるような遺伝子の機能を見つけたというのが面白い点なのかなと思う。いろいろな要素がとても興味深い研究だ」との見方を示す。  では、今回の発見でこの先どんな活用が期待できるのか。「今後、ヒトがどんどん宇宙旅行に行くというときの、宇宙空間におけるヒトの健康の保ち方。例えば、Nrf2の促進剤を投与することで、加齢変化が進むことなく宇宙空間で人の健康を保つことが期待されるのではないか」とした。  さらに、地上での応用も期待されるとし、「Nrf2の機能を使うことによって、加齢による疾患を抑制したり健康状態を守ったり、不老長寿に資するような成分・薬の開発といったことが期待できると思う」と述べた。 (ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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