OB会長の桑田真澄氏が「復部へ前向きな話ができている」と報告したPL学園野球部の復活は本当に可能なのか?
春夏合わせて7度の全国制覇を誇る高校野球の名門ながら現在休部中の「PL学園」硬式野球部OB会総会が11日、大阪市内のホテルで開かれ、OB会長に就任2年目の元巨人・桑田真澄氏(51)は「(PL)教団側と復部に向けて前向きな話ができている」と、出席者に復部の可能性で進んでいることを報告した。復活に向けたスケジュールなどの具体案は出ていないが、復部が成就した際、自らが監督を務める可能性さえ示唆した。ただ桑田氏は学生野球資格回復研修を受けておらずその制度に反対の立場をとっているため監督就任は簡単にはいかない。総会には、元中日の立浪和義氏(50)、前阪神コーチの片岡篤史氏(50)、元ヤクルトの宮本慎也氏(49)らのOBも出席し復部への全面バックアップを誓った。
桑田氏が教団側の復部検討方針を報告
午前11時から始まったPL学園硬式野球部総会(聖友会)には史上最多の109人が出席した。これこそがOBの思い、気持ちの高ぶりを表していた。復部へ向けて設立母体のPL教団との話し合いを重ねてきた桑田OB会長は、「教団側も復部に向けて、いろいろと準備をしていることが分かった。昨年、何度か教団側と話し合い、”復部を考えています”と言っていただいた」と笑顔で名門野球部の活動再開に向けた進捗状況を明かした。 甲子園での数々の名勝負や、多くのプロ野球選手を輩出した野球部は2013年に部内の暴力が発覚し監督が退任して以降、活動を縮小し、2015年度から新入部員の募集を停止して2016年夏の大阪大会を最後に休部。2017年3月には、とうとう大阪府高校野球連盟から脱退した。この一連の流れの中、教団側は存続の意見に耳を貸そうとしなかったため事実上の廃部だと、OBたちも半ば諦めかけていた。 潮目が大きく変わったのは昨年1月に教団側と距離の近い桑田氏がOB会長に就任し、折衝役となったことだ。昨年11月には、元高校球児の祭典「マスターズ甲子園」に桑田氏らが中心となって組織したOBチームが初出場。PL復活への気運が一気に高まった。スタンドには、PLの代名詞とも言える「PL」の人文字が復活し「野球部のOBはもちろん、PL学園の他のOBにも反響が大きかった」と関係者は話す。 野球部の寮は取り壊され、グラウンドも荒れ放題で、関西方面を襲った台風の暴風でバックネットが崩れたが、その後、教団側が修復工事を行ったという。関係者は「復部を真剣に検討している証拠かもしれない」と、前向きに捉えている。 また少子化のあおりを受けてPL学園の入学者も、年々減少の傾向にあり、20数名しか新入生のいない年もあり、学校経営を再建するために、野球部復活をその目玉にしたいという考え方も教団内部で出てきているという。