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新橋は50代以上の客がパタリと消え…「知っているだけでも6店が…」【コロナ禍の現場から】

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日刊ゲンダイDIGITAL

【コロナ禍の現場から】  新橋は今(1)=ダイニングバー タオ  ◇  ◇  ◇ 「サラリーマンの聖地」と呼ばれる東京・新橋。ガード下や路地に居酒屋の赤提灯が連なる有名な繁華街だ。その新橋にちょっとした異変が起こっている。  ある串焼き店の店長が現状を話す。 「特に50代以上のエリート会社員が来なくなり、明らかに地元ではない若い人が多くなったんです。つまみ1品で何時間も滞在するカップル客もいて、こう言っちゃ何だが、場を荒らされている感じがしてしまう」  そういうマナーの悪い客は一部とはいえ、昔からの常連客の来店が激減し、客層が若年化傾向にあるというのだ。日本のビジネスマンの胃袋を支えてきた新橋。そしてこの街で営業を続ける飲食店は今、どんな状況なのか。2軒の人気店を取材した。 「25年ほど店をやっていて、こんなに人が少ない新橋は初めて。夢にも思いませんでした」  そう話すのは、居酒屋「ダイニングバー タオ」のマネジャー、西村美保さん(58)だ。ボリュームたっぷりの唐揚げが名物の人気店で、コロナ禍前はランチ時に30人以上の行列ができることもあった。 「以前は唐揚げ用に1日80キロの鶏肉を仕込んでいたのですが、今は半分以下。夜の営業は悲惨で、4月、5月は1組しかお客さんが来ない夜もあった」と、ため息を漏らす。 「うちのお客さんは50代以上が主なので、感染による重症化を恐れてかパタリと客足が途絶えた」  テレワークの普及で新橋や汐留近辺のオフィスワーカーが減ったことが要因のひとつだが、客足減少に一番影響を及ぼしているのは企業の飲み会自粛だという。 「飲み会だけでなく会社から飲食店でお酒を飲むことさえ禁止されている人も。4月から宴会予約のキャンセルが続き、昔の常連さんは戻ってこない。若い人向けの店はお客さんが戻ってきているようですが……」

「居酒屋だけならやっていけなかった」

 本来なら忘年会に向けてこれからが繁忙期。今年はそれも見込めず、同じ新橋エリアで昨年から始めた弁当店の商品を居酒屋の店頭で販売し、赤字を補っている。  一方、系列の弁当店は図らずも経営の救世主になりつつある。外食自粛でテークアウト需要が増えたため、居酒屋より売り上げがいいのだ。 「居酒屋だけならやっていけなかった」  明暗が分かれた居酒屋と弁当店。西村さんの店の場合は両方を経営するわけだが、“暗”だけを抱える飲食店も多い。 「最近、新橋のあちこちで閉店が目立ちます。持続化給付金をもらっても潰れた店や休業から閉店を決めた店など、私が知るだけでも6軒はあります」  年配の常連客が多かった店や、店主が高齢の老舗はコロナ禍が閉店へ追い打ちをかけていた。=つづく (取材・文=肥田木奈々)

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