「処理水から海守りたかった」靖国神社落書きの中国籍被告が初公判「歴史に興味ない」
靖国神社(東京都千代田区)の石柱が落書きされた事件で、礼拝所不敬罪と器物損壊罪に問われた中国籍の姜卓君被告(29)の初公判が29日、東京地裁(福家康史裁判官)で開かれた。被告は起訴内容を認め、落書きは、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に抗議の意を示すためだったと明かした。 【写真】赤いスプレー塗料で落書きされた靖国神社の石柱 検察側は冒頭陳述で、中国のSNS(交流サイト)で過激な動画を投稿するインフルエンサーの董光明容疑者=礼拝所不敬と器物損壊の疑いで逮捕状=が事件を計画して来日。ファンだった被告が靖国神社に案内したり、スプレーを準備したりしたと主張した。 この日行われた被告人質問で被告は「歴史に興味がなく、靖国神社に恨みはない」と証言。令和5年8月に原発の処理水が海洋放出されたことに懸念を持ち、犯行に加わったとした。 処理水については国際原子力機関(IAEA)が安全性を認めているが、被告は「処理水で海が汚れるので、海を守りたかった」と述べ、放出に抗議する目的で落書きをしたと説明した 起訴状などによると、被告は董容疑者ら2人の中国人の男と共謀して5月31日午後10時ごろ、靖国神社の神社名が刻まれた「社号標」に赤いスプレーで「Toilet(トイレ)」と落書きし、礼拝所に不敬な行為をしたとしている。