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國學院久我山の躍進を支えるフィジカル論 プロ輩出のカギは定量的に括らない「個別性」

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REAL SPORTS

熱戦が繰り広げられた直近の第98回全国高校サッカー選手権大会にも出場した國學院久我山高校サッカー部。細かくパスをつなぐポゼッションに重きを置く強豪チームとして知られる久我山だが、彼らのベースに考え抜かれたフィジカルトレーニングが存在することをご存知だろうか? 9年前から久我山のコンディショニングコーチを任されている三栖英揮は、いかにして高校生年代のフィジカルトレーニングを確立させたのか? (インタビュー・構成・撮影=木之下潤、写真=Getty Images)

久我山ではプログラムが機能する仕組みを作った

――今年の高校サッカー選手権を最後に、監督を退任された清水恭孝さんとは11シーズンにわたり、仕事をご一緒されたとうかがいました。9年前に國學院久我山高校サッカー部でコンディショニングコーチを任されたとき、どんなイメージを描かれていたのですか? 三栖:環境面でいうと特別なトレーニング施設もなく、練習グラウンドや練習時間の面でも制約がありました。そのような場合フィジカルトレーニングは朝練の時間に実施するような形も考えられますが、久我山は学校自体に朝練がありません。だから、午後の練習の2時間から2時間半の間に「どうフィジカルトレーニングを落とし込むか」が課題でした。   当時は、清水さんをサポートして2年ほど経っていましたが、今ほどお互いを理解していたわけではありませんでした。フィジカルトレーニングの導入で難しいのは、こちらが「絶対に必要だ」と考えるプログラムであっても、効果が出るのに時間がかかり、「あまり変わらないな」と感じさせたら、選手もコーチもそのフィジカルトレーニングプログラムにネガティブな印象を持ちます。そのバランスを測りつつ、まず監督とは「私が育成年代で必要だ」と考えていたそのプログラムを監督としっかり共有しました。そこから久我山高校サッカー部で日本の育成年代で取り組むべきフィジカルトレーニングのシステムづくりを始めました。  久我山高校サッカー部には、当時監督をされていた李(済華/リ・ジェファ)さんのスタイルも影響して、何本ダッシュや何km走り込むなど、昔ながらのフィジカルトレーニングはまったくなかったので、むしろそこにメリットがあったかなと思います。それまでも何校か部活のフィジカルトレーニング指導を請け負った経験がありますが、「昔から受け継がれたフィジカルトレーニングをやるんだ」みたいな学校が結構あったなか、久我山高校サッカー部にはそういう習慣がありませんでした。 ――フィジカル面に関しては、白いキャンバス状態だったわけですね。 三栖:20年ほど前はどの高校もOBの発言や昔からの伝統を重んじる傾向にありましたから、久我山高校サッカー部は珍しい部類だったかもしれません。古くから伝わったフィジカルトレーニングも特にその効果を検証するようなことなく行われていました。それが当時の現実。その点では、久我山はとても仕事がしやすく、私を受け入れてくれました。

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