ロシア、トランプ氏とウクライナ停戦協議の用意表明-西側は懐疑的
(ブルームバーグ): ロシアはトランプ次期米大統領とウクライナでの停戦の可能性を話し合う用意があると表明した。ただ、将来的な交渉の前に立場を強めようと、あらゆる戦線で戦闘は激化している。
国営タス通信によると、ペスコフ報道官は20日、プーチン大統領は「一度だけではなく、より正確には常に、接触や交渉の用意はあると述べてきた」と発言した。
このコメントに、西側当局者は即座に懐疑的な反応を示した。ロシアのウクライナ侵攻は1000日を超え、ロシア軍はウクライナ東部で前進。ここ数日はウクライナに対する攻撃が激しさを増し、ロシアは核ドクトリンを改定して核兵器の使用基準を緩和した。
米国と欧州の一部は20日、大規模な空爆があるとみてキーウの大使館を閉鎖した。キーウを含むいくつかの地方でミサイル警報が鳴り響いた。
ペスコフ氏は、ロシアがほぼ現在の戦闘ラインに沿って戦闘を停止する交渉に応じる用意があるとするロイター通信の報道について語った。ロイターは、匿名の現・元ロシア当局者5人の話を基に報じたとしている。
北大西洋条約機構(NATO)加盟国の当局者らは、プーチン氏に真剣な交渉や譲歩の用意はないという分析に変わりはないと語った。ロシアは最終的な合意を結ぶ前に。ウクライナの支配地域拡大とクルスク州からのウクライナ軍駆逐に引き続き注力していると、ロシア大統領府に近い関係者2人がブルームバーグに対して述べた。
フランスのマクロン大統領はブラジルで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議に向かう途中、「プーチン氏が何を言おうが、平和を望んではいない。和平交渉の用意もない」と記者団に述べ、「プーチン氏の意図は、戦闘を激化させることだ。われわれは何週間もそれを目にしてきた」と続けた。
4州
ロイターの報道によると、プーチン氏はウクライナのドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの4州について分割の協議に同意する可能性がある。