中国のドル建て債市場に回復の兆し、10月は社債で前年比倍増
(ブルームバーグ): 中国のドル建て債券市場では大手発行体が戻り始めており、同国経済の悪化によってここ数年低迷していた市場が回復に向かいつつあるとの期待が高まっている。
ブルームバーグの集計データによれば、中国企業のドル建て社債発行額は10月に総額77億7000万ドル(約1兆2000億円)と、前年同月から2倍余りに膨らんだ。
11月も勢いは続いており、アリババグループが2021年以来となるドル建て債を発行する計画であるほか、復星国際なども起債している。先週には3年ぶりにドル建て国債も発行された。
中国当局が矢継ぎ早に景気刺激策を打ち出したことで、同国経済に対する投資家の信頼感は回復傾向にある。これが債券の発行コスト低下につながり、ドル建て債市場持ち直しの機運が醸成されている。
また、中国の景気対策で新興国債券の魅力が向上し、アジア債はドル建ての利回りプレミアムがここ数週間で過去最低水準まで低下した。
クレジットサイツ・シンガポールの東アジア担当コーポレートリサーチ責任者、ツェリーナ・ツェン氏は、ここ数カ月間に中国ドル建て債の発行が増加しているが、国内投資適格債のスプレッドが過去最低水準にあることが一因になっていると指摘。「優良発行体にとっては、コスト削減になっている」と説明した。
原題:China’s Dollar Bond Market Sees Recovery Signs as Issuers Return(抜粋)
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Wei Zhou