さんまのまんま構成作家がプロデュース 大阪のライブハウスで歌手支援
さんまのまんま構成作家の寺崎要氏プロデュース
さんまのまんま構成作家がプロデュース 大阪のライブハウスで歌手支援 THEPAGE大阪
いろんな歌い手に新たなスポットをあてたい──。放送作家の寺崎要氏プロデュースによる公演「ONLY ONE SONG KANAME PROJECT」が、大阪にあるライブハウス「心斎橋BASSO」(大阪市中央区)で始まった。このほど第1回公演が行われたばかりだが、定期的に開催予定だという。同公演は、演歌歌手、地下アイドル、ガレージバンドなど様々なジャンルの歌い手に、新たな角度で光を当て、そこから生まれる新たな魅力で再デビュー、メジャーデビューを支援するというもの。寺崎氏は『さんまのまんま』(関西テレビ)の構成作家で知られるが、「なぜ売れないのか、みんな、気づいてないんです。だから何かをしないといけない。それで始めました」と話している。そこで第1回公演に足を運び、寺崎氏に話をうかがった。
長く中島みゆき公演などを手掛けている
「今日は演歌やポップスなど、各分野の歌手15組が出演します(他にゲスト2組)。出演者に合わせて選曲し、個性を発揮できるプログラムを組みました」と寺崎氏。出演は、ちゃき、モモコ、小泉茜、岡田由美、小林千恵、五十嵐潤、effect、まちゃみ、角田睦美、優木ななみ、しーたん、重盛亜美、岡村雄大、東正道、小西彩加、野Dという顔ぶれだった。 長く中島みゆき公演などを手掛けているだけに、ステージの演出も、歌い手の魅力を引き出すものになっており、さすがにこの日は満席だった。 「中島みゆきもずっとやってるし、テレビも、お芝居もやってるんです。そんな中で、新しいことができないか、ということです。演歌の人だったら、30年くらいやってらっしゃる方もいてるし、新人の地下アイドルの子なんかは、BASSOさんで1年2年出てるわけですけど。問題はね、客が入らないんです。演歌の人はね、自分で(チケットを)売るんですけど、ただ年に1回とか2回ですからね、定期的にやるとなると、いろいろね」
演歌はデビューしてから、面倒見がないんですよ
寺崎氏は、その原因をこう分析する。「演歌はデビューしてから、面倒見がないんですよ。曲をつくる先生が1回つくったら渡すみたいな。やり方はこうしなさいとかもないですから。みなさん、まじめですから、言われた通りにやってるわけですけど、何十年かやってると、客の入りが伸びなくなってくる。そのへんを変えようかなと思って。ポップスの人たちは基本的に作詞作曲をやってますから、コンサートだったら(オリジナル曲を)6曲7曲歌うでしょ、それがあかんねやろなと思って。今回は1人一曲にしました」 15組の中で、注目は五十嵐潤(55)だろう。18歳で家出し、苦労しながら歌い続けて30余年。元は佐藤まこととしてデビュー。1993年(平成5)に中村泰士の内弟子になり、今の名前に改名した。「五十嵐さんが今回の企画にいちばん熱心だった」(寺崎氏)という。 また、性同一性障害の歌手、小泉茜(42)は、「彼女は男性の声でも女性の声でも歌えるんで、曲の1番は男性で、2番は女性で歌ってみようかっていうことになりました」とか。他にも、effectなど、若手も迫力あるステージを披露した。新人もベテランも、新たな挑戦の舞台となったようだ。
大阪でなぜ売れないのか、みんな気づいてない
「大阪でなぜ売れないのか、みんな気づいてないんです。要はライブハウスが儲かっていないというのがわかってない。音楽として商売になってない。昔はライブハウスに出演し、そこから大きくなっていったんですけど、今はテレビ局も何か番組をつくる時に、ライブハウスからは(人材を)探さないんで、みんな、レコード会社から探すんです。そういう状況にあるので、何かをしないといけない。活性化も含めてね、もちろん客を呼ぶのがいちばんですけど」 そう話す寺崎氏。今後も定期的に公演を行っていく予定で、大阪からスター排出を期待したいところだ。 (文責/フリーライター・北代靖典)