浪江・原発避難訴訟第2陣 福島地裁、和解検討を提案
裁判外紛争解決手続き(ADR)の決裂を受け、東京電力福島第1原発事故で避難した浪江町の8世帯14人が国と東電に慰謝料などの損害賠償を求めた集団訴訟の第2陣で、福島地裁の小川理佳裁判長は10日、原告側、被告側双方の代理人に和解を検討するよう提案した。原告側代理人が明らかにした。 原告側代理人によると、同日行われた非公開の協議で裁判所から「早期解決が望ましい」などとして和解の提案があった。ただ、具体的な和解案は示されておらず、現段階で和解に応じるかは未定。閉廷後の会見で原告側代理人の浜野泰嘉弁護士は「早期解決を望む原告もいる。被告側の主張も踏まえて考えていきたい」とした。 次回は来年1月28日、オンラインで協議が行われる。浪江町民が起こしたADRの決裂を受けた集団訴訟を巡っては、約700人の原告を抱えた第1陣が今年3月、福島地裁で東電と和解が成立し、国への訴えを取り下げた。11月には東電が直接、原告団に謝罪していた。
福島民友新聞