“クラーク愛”が止まらない19歳 隅内雅人は上品な球筋に憧れ
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 3日目(5日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7217yd(パー70) 【画像】歴代覇者です 目標としているゴルファーは誰ですか? そんな質問が飛ぶと、隅内雅人(日大)の表情が一つ、明るくなった。「目標っていう選手はあんまりいないですけど、好きなのはウィンダム・クラーク。ああいうスイングの人が好き。自分もあんな風に打ってみたいなって」。タイガー・ウッズやロリー・マキロイらが出るかと思いきや、2023年にツアー初優勝を挙げて、同年の「全米オープン」を制した30歳の名前を挙げ、栓を抜いたように、次々と言葉があふれ出た。 昨年、ネットフリックスのドキュメンタリー「フルスイング」でクラークを見たのがきっかけ。PGAツアーのアプリで“お気に入り登録”し、各ショットを細かく研究している。 「低いフェードでもしっかり伸びて、しっかり止まる。ああいう球がけっこう好きで、憧れる。マキロイみたいに『バーン』っていうのもいいけど、クラークのは上品な感じがして」と“愛”が止まらない。 自身の球筋も、それに近い部分がある。ドライバーで同じことをするにはパワー不足だが、アイアンはめくれる球を打つ。「腕が長いほうなので、外国人選手に似たようなインパクトゾーンが作りやすい。自分の感覚ではどうやったらそういうショットが打てるのかわからないから」と海外勢のスイング動画をスロー再生するなどし、プレーに生かしている。
研究家の一面も相まってか、ミスが出ると考えすぎてしまいがち。第1、2ラウンドはボギーが先行したことで「69」「70」と伸ばしきれず、第3ラウンドに入ってから気持ちも落ち着いてきた。10番を終えた時点で日没順延となった3日目時点で3アンダー10位。2年ぶり2回目の出場となる大会で首位の背中を追う。 優勝すれば来年のメジャー「マスターズ」と「全英オープン」の切符が手に入る。「だんだん良いイメージが持ててきている。一打一打に集中して頑張っていきたい」。尊敬する選手たちと一緒にプレーする未来をつかみたい。(静岡県御殿場市/合田拓斗)