メールやLINEがあるというのに…電話は失礼な通信手段なのか?
「じつはこれは失礼な行為である」 「厳密にはこれも失礼に当たる」 当失礼研究所は、そんなふうに重箱の隅をつついて「失礼」を作り出すために、研究を重ねているわけではありません。 【マンガ】話題のマンガ家ニャロメロンさんの「ミィとボボ」 意外な保留音 基本の失礼は押さえつつも、自分と周囲が日々を平和に穏やかに過ごすために、失礼とどう付き合っていけばいいかを考えていく所存です。 ***
早く電話したほうがいいと促すときに、「電話いそげ」と手あかにまみれたダジャレを言って相手を脱力させるのは、間違いなく失礼です。「電話にでんわ」も同じ。 それはさておき、昨今電話がらみの失礼で問題視されているのは、そんな牧歌的な話ではありません。グラハム・ベルが電話を発明(諸説あり)して、およそ150年。ちなみに今年はベルの没後100年。昭和40年代ぐらいから通信手段の王者として君臨してきた電話は、このところ冷たい目を向けられています。 「いきなり電話かけてくるなんて、どれだけ失礼な人なんだ」 「メールで済むのに電話って……。これだから昭和世代は」 よかれと思って電話したのに、相手が「電話否定派」だと、切ったあとでこんな罵詈雑言を吐かれているかもしれません。一部のビジネスパーソンのあいだでは、電話を毛嫌いすることが「デキる自分」をアピールする手段になっています。 メールやLINEが広く使われるようになって以来、電話の使用頻度は極端に減りました。公衆電話はもとより、「家電(いえでん)」も使ったことがない若者は当たり前のようにいます。社会人になって、会社の電話の取り方やかけ方がわからずに凍りついたり、固定電話恐怖症になったりする悲喜劇が多発しているとか。 ただ、電話でのやり取りも電話の存在意義も、なくなったわけではありません。社会人にとって「電話を失礼なく使えること」は、一人前の必須条件です。 微妙な立ち位置で揺れ動く電話(LINE通話などネット回線を使った通話も含む)について、使う際の失礼と、あえて使うこと自体の失礼について考えてみましょう。さっそく始めます。電話いそ……失礼いたしました。