出世部屋と大凶 広島の新人2人に明暗?
九里は、発想を見事に転換した。このあたりの切り替えの上手さはプロ向きなのかもしれない。昨秋は、亜細亜大のエースとして明治神宮大会に出場、3試合すべてに先発して自責点ゼロのままチームを7年ぶりとなる日本一へと導いた。 父のマーク・アントニオ・シェックさんは、元マイナーリーガー。最強の遺伝子を受け継いでいる。岡山理大付属から亜細亜大に進んで投球フォームに悩んだ時期もあったらしいが、187センチ、90キロの恵まれた肉体を生かして最速150キロを投げるポテンシャルを持っている。しかも、コントロールがいい。持ち球は、カーブ、ツーシーム、チェンジアップ、スライダーに落ちるボールもある。3球団が競合、侍ジャパンにも選ばれた大瀬良への注目度が高いが、九里の制球力が、プロで通用するだけの精度であれば、彼もまた1軍のローテーションに入ってくる可能性がある。 「お互いに良きライバルとして競争していきたい」とは大瀬良の九里に対するコメント。新年早々、運という面では、明暗を分けた広島のドラフト1、2位コンビは、これから始まるキャンプ、オープン戦の中で、どう評価を変えていくのだろうか? (文責・駒沢悟/スポーツライター、元スポーツ報知広島番記者)