あらゆる食品の中でも栄養バランスに優れたキウイフルーツ。 毎日の摂取を続けることで、生活習慣病の予防・改善に。
アンバー・ミラン博士は、オークランド大学農業研究所のシニア研究員。キウイを食べると体にはどのような影響があるのか、特にキウイと胃腸との健康について研究しています。 「世界人口の60%が胃腸の不快感に悩まされています。欧米諸国では成人の10~15%が便秘で、それによる腸内フローラの乱れは脳の機能にも影響を及ぼします。これを〈腸脳相関障害〉といい、生活への質の悪影響は多大。腸脳相関のメカニズムはまだはっきりとはわかっていなくて、治療法はなく対症療法のみなので、食生活が非常に重要になってきます」。 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく含むキウイを摂取することで、便秘や胃腸の不快感を改善することが解明されつつあるとミラン博士。サプリや薬を飲むよりも、自然のものを丸ごと食べる方が、体への負担も少ないと言います。1日2個4週間食べ続けることで、便秘が改善されたという治験結果も。最終的な研究結果はこれからですが、大量の治験を重ね、キウイが腸内環境改善に効果があり腸脳相関にも大きく影響することが解明されつつあります。
斎藤理子 さん さいとう・りこ フードジャーナリスト 雑誌編集者を経てロンドンなど海外に長年住み、その間世界各国を食べ歩く。現在は国内外の生産者から三つ星シェフ、立ち飲みまで広く取材し執筆。著書に「イギリスを食べつくす」(主婦の友社)、「隣人たちのブリティッシュスタイル」(NHK出版)など。編著に『アル・ケッチァーノ』奥田政行シェフの連載をまとめた「田舎のリストランテ頑張る」(マガジンハウス)。2011年英国政府観光庁メディアアワード受賞。やまがた特命観光・つや姫大使。
写真・文 斎藤理子
クロワッサン オンライン