あらゆる食品の中でも栄養バランスに優れたキウイフルーツ。 毎日の摂取を続けることで、生活習慣病の予防・改善に。
ビタミンC、ビタミンB16、ビタミンE、ビタミK、鉄、銅、葉酸、カリウム、マグネシウム、食物繊維という10種の栄養素が詰まったキウイ。健康維持に欠かせないこれらの豊富な栄養素が手軽に摂れ、日々の食事の栄養バランスを補ってくれるキウイの魅力を、多角度からご紹介します。
より高品質で美味く栄養価の高いキウイを作るために、ニュージーランドではさまざまな研究機関が日々詳細な分析や研究を重ねています。また、オークランド大学による、栄養素の分析とその効果の研究も進んでいます。産学が連携し、きちんとしたエビデンスを作り上げていくことで、ただ美味しいだけではないキウイの奥深い魅力が発信されています。
キウイの品質向上や品種改良に取り組む 〈キウイフルーツ・ブリーディングセンター〉。
高品質のキウイをより多く生産するための研究をしているのが、〈キウイフルーツ・ブリーディングセンター〉。ゼスプリ社とニュージーランド国営研究機関のプラント&フードリサーチ社の合同出資で設立されたジョイントベンチャーです。ここには10万株を超える雌の苗木があり、700人以上の科学者が研究に打ち込んでいます。キウイの研究をしている科学者のアマルディープ・ナス博士に話を聞きました。 「この研究所のモットーは、〈more, better, faster〉。もっといいものをもっとたくさん、早く開発するのが目標です。最先端の技術を駆使して交配の研究をし、新品種と新しい味を追い求めています。遺伝子組み換えは絶対にやらず、伝統的な交配方法で改良に取り組んでいます」。 新しい品種の親木作りに5年、種子のスクリーニングに5年、クローン試験に5年、さらに商品化にも5年かかり、実際の販売までには最低20年の歳月がかかるそう。味や栄養素の改良のみならず、収穫量のアップや収穫までの期間の短縮化の研究もしているとのことで、生産者と消費者が共に満足できるキウイ作りがここで科学的に探究されています。
キウイの品質管理のために、 成熟度や糖度などを調査し評価する〈ヒル・ラボラトリーズ〉。
キウイのシーズン中、1万5000個~2万個のサンプルチェックをして、外観、香り、味、テクスチャーなどを分析するのが、独立系の〈ヒル・ラボラトリーズ〉です。サンプルは、常時モニターされているGPSを装着した作業員が収穫し、他の園地のものとは混ざらないようにするため、どこの園地のどのブロックで採れたものか正確にわかるそう。それをここで検査し分析します。 重さをひとつずつ計り、表面の状態や硬さは針を刺しコンピュータでチェック。専用機器で色を測定し、グリーンキウイは肉眼で種を観察し黒くなっている度合い(黒いほど完熟している)を確認します。さまざまな検証がされる中、味の評価のために一番大事なのが、キウイから水分を完全に取り除いた〈ドライマター〉というものを作る作業。最初に計量した重さに対し、完全乾燥させた部分の重量のパーセンテージが大きい方が濃厚で美味しいキウイなのだそう。完全に乾燥させて残った部分はキウイそのものの旨味が凝縮されているので、個体による成熟度や純粋な味の違い、栄養成分などがわかります。詳細にチェックされた結果は、ゼスプリにフィードバックされ、それによって高評価のキウイは高額でゼスプリに買い取られるそうです。