地方都市の呪縛に縛られ、40歳まで私の生活は「婚活一色」だった。一度は諦めた結婚、50歳を目前に改めて、晩婚について考える
◆他人と住めるのか? すぐにアプリ登録でもして、現実的に婚活という海原へ、また乗り出すかというとそうでもない。仕事も忙しいし、やりたいこともたくさんある。100歳まで生きると言われている昨今、70歳までは働く人生プランだ。 では、ふんわりやんわり、晩婚を考えるとして、何がネックになるかと言えば「他人と完全に生活を共にすること」だと思う。 20年の独り暮らしという時間に作られた習慣は恐ろしいもので、1人での生活ペースというものが、体に染み付いている。洗濯物は干すことも畳むこともなく洗濯機から出してそのまま使う、風呂上がりに裸で歩き回る、食事は空腹になってから考える。これらが一切合切、覆されるのが同居だ。このストレスに私は耐えられるのだろうか。 選択肢が妙に多くなった時代なので、別居婚という考えもある。ただ個人的には、結婚したのなら一緒に住みたいと思う派ので、まず別居婚はなし。 こんな時代なのだから婚姻届けを出さなくても、同居だけで済ませるという案もある。ただ私、今だに一度も戸籍にあの取り消し線を引かれたことがない、未婚の身分だ。死ぬまでに一度は結婚というものを体験してみたいという好奇心がある。 必死で婚活していた頃、結婚とは「好きな人を一生羽交い締めにする手段」だと思っていたけれど、今はそんなエネルギーもない。もし今後、晩婚をして「やっぱり無理だった」と離婚をしても、それも一つの経験だったと思える気持ちの余裕がある。いずれにしても結婚してみないと、その時の感情の振れ幅は分からないのだ。 そんなわけでまずは、他人を自宅へ招くことから晩婚活はスタートしようと思う。元々、自宅に人を呼んだり、泊めたりするのは好きなほうだ。ただコロナ禍もあって、だいぶご無沙汰になっていたけれど、始めてみる。そして単体? 団体? どちらの心理状態が良いのか、自分に問いかけてみよう。
小林久乃
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