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加賀・長生殿の神殿、福島で再活用 震災被害の神社に移設

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北國新聞社

 6月末で営業を終えた加賀市小菅波町の結婚式場「長生殿」の神殿が21日、東日本大震災で被害を受けた福島県いわき市の神社に移される。処分目前の姿を見かねた石川県神道青年会小松・加賀支部連合会が、東京の神職を介して引取先を見つけた。式場のオープン以来、40年近く夫婦の門出を見届けてきた神殿は福島で住民の心のよりどころとなることが決まり、関係者が胸をなで下ろしている。

 神殿は銅板ぶきの総ひのき造りで、間口は2・5メートル、奥行きは1・7メートル、高さは2・4メートルある。式場が開業した1983(昭和58)年9月当時で1500万円以上の費用がかかったとされ、3階の「瑞祥殿(ずいしょうでん)」に設置された。

 長生殿を運営していたマルコ(加賀市)によると、ピークの1990年代前半には年間150組の夫婦が神前式を行ってきたが、コロナ禍で営業を取りやめることにした。

 神殿は処分される可能性があったが、保存状態が良好なことを受け、小谷雅之社長(68)が今年7月、県神道青年会小松・加賀支部連合会支部長で服部神社(加賀市山代温泉)の宮司代務者を務める野尻宗仁さん(33)に再利用できないか相談を持ち掛けた。

 野尻さんは下谷(したや)神社(東京・東上野)の阿部明徳宮司(66)が東日本大震災で倒壊するなどした神社に仮社殿設置といった復興支援を行っていることを知り、知人を介して阿部宮司に連絡。阿部宮司から、神殿を必要としていた三島八幡(みしまはちまん)神社(いわき市)の摂社(せっしゃ)・若宮八幡神社を紹介してもらった。

 若宮八幡神社は三島八幡神社の境内に独立した社殿を持っており、地震で建物にゆがみが生じ、倒壊の危険性が指摘されている。加藤直昌禰宜(ねぎ)(38)によると、既存の社殿を取り壊した上で屋根を新設し、長生殿で使われていた神殿を置く方針という。

 加藤禰宜は「神社を壊れたままにしておけず、大変困っていた。石川からのご縁に感謝し、大切に使わせていただく」と喜んだ。