及川、英田の全日本躍進の立役者 卓球トレーナー齋藤蓮の希望「選手寿命を80,90代に」
監督、コーチはわかる。 卓球のトレーナーって、いったいどんな仕事なのだろう。 2021年全日本チャンピオンの及川瑞基(おいかわみずき)、そして全日本初ランク入りに加え、今季初参戦のTリーグでも活躍中の英田理志(あいださとし)。このトップ選手二人が声を揃えて「影の立役者」と感謝するトレーナーがいる。 【写真】卓球の練習前に役立つストレッチを教えてくれた 齋藤蓮(さいとうれん)、28歳。 「いやー、緊張してますね、はい!」 撮影場所の卓球場に響く、明朗快活な声。 「自分を撮って頂くなんて、いつぶりだろう、はい」 照れるにしては大きめの声で話してくれる齋藤氏に「トレーナーの仕事とは」を聞いた。
ストレッチとマッサージは違うのか
――トレーナーってどんなことをするお仕事なんでしょう。 齋藤:自分は、マンツーマンのストレッチがメインですが、テーピングを巻いたり、ウォームアップの手伝いなど全般的に行いますね。 ――ストレッチとマッサージって違うんでしょうか 齋藤:シンプルに言うと、マッサージは筋肉に圧を加えて揉むイメージですが、ストレッチの場合は、筋肉が骨に付いてる部分を引き伸ばすようなイメージなんですよ。引き伸ばす、縮める、でまた伸ばすという動きを繰り返す。 マッサージでは表面の筋肉である表層筋にアプローチしますが、ストレッチは表層筋も含めてもっと奥の部分、深層筋という体のコアに近い部分を伸ばすことで、筋肉や関節の可動域を広げていきます。 ――“身体を柔らかくする”っていうことなんでしょうか 齋藤:筋肉が固まってると動きも悪いので、柔らかくも大事なんですが、選手に合わせて動きを良くするっていうことですね。別にすごく柔らかくなくてもいいんです、ちょっと動けばいい、でもこのちょっとがすごく大事で。 ――なんか難しそうですね 齋藤:いえいえ(笑)。誰もが知ってるストレッチを時間をかけるだけでも、簡単に体の可動域は上がっていきます。大事なのはその時間ですね。例えば学校でやるのって1、2、3、4、くらいだと思うんですけど、僕のやるストレッチは一つに15秒から20秒くらい。すごく時間をかけます。 ――卓球選手をストレッチする上で、特に重要なことってありますか 齋藤:うーん、選手によると思うんですけど、やっぱり股関節周り。あとは、ラケット競技や球技で一番多い怪我は足首なので、選手が不安に思う箇所をメインにしながらですが、股関節、足首はけっこう念入りにやりたいなというのはあります。あと、卓球は前傾姿勢で腰を悪くする方も多いので、腰のひねりのストレッチを加えたり。 ――ぜひ「練習前練習後にこれだけは」というストレッチメニューを動画で教えて下さい(笑) 齋藤:もちろんです!