大手牛丼チェーン店が期間限定で「値下げ」していましたが、未だに値上げせずに踏ん張っている業界はどこでしょうか?
近年では物価上昇が続いており、消費者の財布のひもは固くなる一方です。この状況の中、数ヶ月前に大手牛丼チェーン店が期間限定で「値下げ」を発表し、話題となりました。 この記事では、値上げの波に逆らい「価格の据え置き」や「値下げ」をしている業界や企業に焦点を当て、まとめました。 ▼職場のランチ代節約したい!「おにぎり」だけは栄養的にNG? 節約効果も検証
ここ数年、物価はどれぐらい上昇している?
総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数」(2024年10月分)によると、2020年を100として比較した場合、2024年10月時点では総合指数が109.5、「食料」が120.4(生鮮食品が127.6、生鮮食品以外が119.2)、「光熱・水道」が111.1、「家具・家事用品」(家電など)が121.3と軒並み上昇しています。 前年同月比を見ても、総合指数は2.3%、「食料」が3.5%、「光熱・水道」が3.2%、「家具・家事用品」が4.4%と、それぞれ上昇しました。 そんな中で、牛丼が値下げされたニュースはインパクトが大きいものだったといえるでしょう。
牛丼チェーン店の値下げ戦略
大手牛丼チェーン店の値下げは、期間限定ではあったものの、消費者にとって朗報となったのではないでしょうか。競合他社との差別化を図るとともに、離れてしまった顧客に戻ってきてもらうことを狙ったキャンペーンといえるでしょう。 牛丼チェーン店が値下げキャンペーンをする背景には、牛丼チェーンを含め、外食業界の競争激化があります。牛丼の価格が値上がりしたことで、牛丼チェーンだけではなく、ファミリーレストランなども含めた飲食チェーンとの競合も考慮しなくてはなりません。 値下げをすることにより、価格に敏感な新規の顧客やほかの飲食店からの乗り換えが増え、来店客数が増加することが期待できるでしょう。また、お得に感じた顧客が再度、来店する可能性が高まるかもしれません。 ただし、客数が増えても一品当たりの単価が下がるため、全体の売り上げが増えても、利益が増えるかどうかは未知数です。 牛丼チェーンは、他店と差別化を図り顧客を引き寄せるために、利益が減る可能性があっても、効果が大きい値下げに踏み切ったといえます。