「母を殺していません」 九十九里浜女性切断遺体 39歳長男、殺害を否認 千葉地裁で初公判
千葉県東部の九十九里浜で2018年秋、同県八街市の山田容子さん=当時(75)=の切断遺体が相次いで見つかった事件で、殺人と死体損壊・遺棄の罪に問われた長男、基裕被告(39)の裁判員裁判初公判が7日、千葉地裁(安藤範樹裁判長)であり、基裕被告は「死体損壊・遺棄は認めます。母を殺していません」と起訴内容を一部否認した。 事件は18年9月29日、同県大網白里市の堀川河口で、釣り人が胴体部分だけの遺体を見つけて発覚。さらに同年10月8日までの間に同市や同県の九十九里町、白子町の九十九里浜の南北約10キロの範囲で頭部や両脚が見つかり、千葉県警は死体損壊・遺棄事件として捜査を進めた。
同年11月、歯の治療痕などから遺体の身元が判明。県警は容子さんと同居する被告に任意で事情聴取し、自宅を捜索した。押収物を調べるなどし、死体損壊・遺棄の容疑者として逮捕。供述の矛盾点や防犯カメラの映像といった客観的証拠のほか、容子さんに急死するような持病がなかった状況などから、19年2月には殺人容疑で再逮捕した。 起訴状などによると、被告は18年9月25~27日、八街市の自宅で、容子さんの首を圧迫して殺害。のこぎりなどで遺体を切断し、各部位を大網白里市の堀川などに遺棄したとされる。 公判前整理手続きで殺人は事件性と犯人性が、死体損壊・遺棄は量刑がそれぞれ争点として絞り込まれている。証人尋問や被告人質問などを経て今月22日に結審、判決は30日に言い渡される。