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「触らなければわからない」コロナ禍のなか“ソーシャルディスタンス”で感じる生きづらさ 視覚障害者の切実な今

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中京テレビNEWS

 新型コロナウイルスの感染拡大防止への動きのなか、人と人とが一定の距離をとる“ソーシャルディスタンス”。  そうした社会に、生きづらさを感じている人もいます。

 白杖をもって点字ブロックをたよりに歩く男性。名古屋市の森さん。  森さんは生まれつきの病気で視力が徐々に低下、今ではまったく文字や景色が見えず、まぶしさを感じる程度です。

 “目が見えない”というのは、“人との距離がつかめない”ということ。 「相手が見えないので、適切な距離をとることがなかなか難しい」(森さん)  森さんは妻と2人暮らし、妻も弱視です。

 運転はできませんが、通勤や日常生活の買い物などは1人で行っている森さん。これまでは街中で通りすがりの人が助けてくれるケースもあり、困っていれば道を教えてくれることも。  しかし今は、人が距離をとる社会。その上、人自体が街中から少なくなっています。 「人がいないというのは視覚障害者にとって生きづらい部分も出てくるかもしれないなって」(森さん)

 この日は、普段から利用するスーパーに買い物へ。普段なら店員の同行を求めるときに鳴らすチャイムが、この日は故障していました。 「次の手を考えていたところです。近くに人が通ったらいいんですけど」(森さん)  耳から入る情報を頼りに10分近く待ち、ようやく店員の助けを得ることができました。

「どちら側の肩につかまりますか」(店員) 「こちらで」(森さん) 「新玉ねぎと普通の玉ねぎがあるんですけど」(店員) 「普通の玉ねぎで」(森さん) 「ちょっと横に移動しますね」(店員)  この日森さんが考えていたメニューは、カレーライス。  森さんは店員の腕をつかみ…。 「(野菜は)どれくらいの大きさですか」(森さん)  触れることで商品の大きさを確認。無事スーパーでの買い物ができました。

 “ソーシャルディスタンス”が叫ばれる中、森さんは“距離”をとることができない葛藤を抱えています。 「コロナの関係で(社会が)きのうとは違うシステムになっている可能性がある。床に線が引いてあるとか、ビニールカーテンが掛かっているとか。見えるかたが見れば一目瞭然でも、目が見えないと周りの状況を把握することができない」(森さん)  また、外出のときヘルパーを利用する人もいますが、お互いの感染防止のために付き添いの依頼を遠慮するケースやヘルパー自身が仕事を控える例も増えているというのです。

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