全国で熱中症警戒の暑さ 新型コロナ対策のマスクも気をつけて
気象庁によると、8月11日も全国的に厳しい暑さが予想され、福島市、前橋市、さいたま市、埼玉県熊谷市などで日中の最高気温は38度に、東京都心などで37度に達する見込みだ。【BuzzFeed Japan Medical/岩永直子】 東京消防庁は、新型コロナウイルスの感染予防のためにマスクをつけて外出する人が増えていることから、「『新しい日常』における熱中症予防行動のポイント」を公表している。
気温が高い時にマスクをつけると熱中症のリスクが高まるため、屋外で人と2m以上の距離が確保できる場合は、マスクをはずすように呼びかけている。 さらにマスクをつけている時には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心掛けることも求めている。 特にお年寄りは、暑さや体調不良、喉の乾きなどを感じる感覚が鈍り、いつのまにか意識が遠のくこともあるので注意が必要だ。 救命救急医で、老年病の専門医でもある藤田保健衛生大学の救急総合内科学教授、岩田充永さんにこの季節、注意すべきことを教えてもらった。
屋内でも熱中症に
岩田さんが指揮をとる救急はこの季節、連日、熱中症で救急搬送される人の対応に追われる。 「やはり、7割ぐらいはお年寄りです。トイレで意識がなくなって搬送されたり、朝、起きたら意識が朦朧としていたなど、屋内で熱中症になる人もとても多いです」 「お年寄りほどクーラーの風は体に悪いという思い込みがあって、しっかりクーラーを使っていない人が多いのです。ろくに眠れずに、脱水症状になりかけたまま朝一番の畑仕事に出て倒れて見つかるという人もいます。とにかく、しっかりクーラーを使って体を冷やしましょう」 岩田さんらが診ている愛知県東部は、運動系の部活中に倒れて救急搬送される学生も目立つという。県内の豊田市では2018年、小学校1年生の男児が熱中症で倒れて死亡する痛ましい事故も起きた。 「これだけ熱中症で倒れている人がいることが報道されていても、体育会系の熱血顧問が炎天下で運動させるという無謀な判断がまかり通っています。熱中症は命にも関わり後遺症が残ることもありますので、許されることではありません」