【2024ふくしま衆院選 託す思い】経済対策 物価高対応強化を 中小企業の支援必要
鋼材の加工、販売などを営む東亜通商(郡山市)社長の高橋正子さん(64)は13日、市内で開かれた展示会で新製品を売り込んだ。「長引く円安で鋼材の仕入れ値が高騰している。為替の急激な変動を抑える政策を示してほしい」と望む。 商社から仕入れた鋼材を加工し、鉄工所や製缶業者などに出荷している。鋼材の原料となる鉄鉱石などは海外産であるため、為替の動向が材料費や収益に直結する。 円安の傾向が始まった2020(令和2)年と比べて仕入れ費は約2倍に跳ね上がった。コスト上昇分を自社の製品価格に上乗せした場合、取引先の理解が得られるとは限らない。中小企業の「体力」の強化が不可欠となる。「意欲ある企業が生き残れるように、設備投資への補助の充実を求めたい」と要望した。 15日公示、27日投開票で行われる衆院選は、経済の再生や東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興、産業の振興、人口減、医療・福祉など山積する難題への対応を、誰に託すのかを選ぶ機会となる。県内の有権者は今の社会に何を感じ、将来に向けて何を求めているのか。本格化する論戦を見詰めるまなざし、思いに迫る。