鹿児島県内、低空飛行目撃89件最多更新 奄美市で急増 大半が米軍機か 20年末時点
鹿児島県内で2020年度に目撃された航空機の低空飛行は昨年12月末時点で89件に上り、年度途中で過去最多を更新したことが5日、県のまとめで分かった。県は昨年4~9月の目撃情報60件のうち、52件が「米軍機の可能性」としている。 【写真】鹿児島県内、低空飛行目撃89件最多更新 奄美市で急増 大半が米軍機か 20年末時点
県は06年度から市町村や県に寄せられた目撃情報を記録。これまでの最多は16年度と19年度の86件で、19年度は大半の82件が「米軍機の可能性」だった。 20年度(4~12月)89件の市町村別では、奄美市が60件と最も多く、19年度1年間の39件から急増。鹿児島市10件、薩摩川内市5件、瀬戸内町と日置市3件と続く。県によると、住民からは米輸送機オスプレイやC130輸送機、ヘリなどの目撃情報が寄せられ、時間帯は午前7時ごろから午後10時ごろだった。 県は目撃情報があるたびに九州防衛局を通じ在日米軍に照会。16年度までは米軍機の飛行の有無が確認できたが、同局は17年度から「米軍機の可能性」と回答。機種や目的、飛行ルートは分かっていない。 目撃情報を集めている奄美市の市民団体「戦争のための自衛隊配備に反対する奄美ネット」の城村典文代表(68)は「ここ数年、オスプレイとみられる飛行の多さは異常。市街地上空を飛ぶケースも増えている」と話す。
在日米軍を監視する市民団体「リムピース」の頼和太郎編集長(72)は「奄美での目撃情報の多さは、オスプレイの低空飛行訓練ルートに設定されているのが要因」と分析。「日米が南西諸島防衛を重視している限り、今後も飛行が増える可能性は高い」としている。